ほぼ3年ぶりか、山本一力著「おたふく」再読。
過日、近場の区民図書館で文庫本を借りて来た。前回は単行本だった。
ブック・レヴューにこうある。
<冷え込んだ江戸の景気を救ったのは、一商人が始めた弁当屋――未曾有の不景気に見舞われた寛政の江戸。大店「特撰堂」の次男・裕治郎は実家を離れ、弁当屋を始める。客を思い、取引相手に真を尽くす裕治郎の商いは普請場の職人の評判をとり、火消しを走らせ、武家と町人を結び、やがて途方もなく大きく育ってゆく……。安くて美味いもので人は元気になる! 経済エンタテインメント小説。2008年10月~2009年11月、「日本経済新聞」夕刊に連載>
更に、
<賄賂が横行した田沼時代の乱れた世を正そうと、老中・松平定信は借金苦の徳川家直参家臣を救うため、武家の禄米を担保に高利でカネを貸し付け、贅沢な暮らしをきわめる札差に、棄捐令(借金棒引き)を発布した。川上から川下へ、カネの流れは滞り、人々の身も懐も寒さが厳しさを増すなか、大店の次男が始めた小さな志高き商いが火消しを走らせ、そして…>とある。
この作品が一力氏の世界だ。背伸びせず、ごく自然に“江戸市井の人々を、ときの映画のカメラワークを想わせる”一力さんの筆致が、無理しない程度に描かれている。
やはりこのほうが、一力さんに似合いだ。しばらく愉しませてもらおう。
過日、近場の区民図書館で文庫本を借りて来た。前回は単行本だった。
ブック・レヴューにこうある。
<冷え込んだ江戸の景気を救ったのは、一商人が始めた弁当屋――未曾有の不景気に見舞われた寛政の江戸。大店「特撰堂」の次男・裕治郎は実家を離れ、弁当屋を始める。客を思い、取引相手に真を尽くす裕治郎の商いは普請場の職人の評判をとり、火消しを走らせ、武家と町人を結び、やがて途方もなく大きく育ってゆく……。安くて美味いもので人は元気になる! 経済エンタテインメント小説。2008年10月~2009年11月、「日本経済新聞」夕刊に連載>
更に、
<賄賂が横行した田沼時代の乱れた世を正そうと、老中・松平定信は借金苦の徳川家直参家臣を救うため、武家の禄米を担保に高利でカネを貸し付け、贅沢な暮らしをきわめる札差に、棄捐令(借金棒引き)を発布した。川上から川下へ、カネの流れは滞り、人々の身も懐も寒さが厳しさを増すなか、大店の次男が始めた小さな志高き商いが火消しを走らせ、そして…>とある。
この作品が一力氏の世界だ。背伸びせず、ごく自然に“江戸市井の人々を、ときの映画のカメラワークを想わせる”一力さんの筆致が、無理しない程度に描かれている。
やはりこのほうが、一力さんに似合いだ。しばらく愉しませてもらおう。