増田カイロプラクティック【読書三昧】

増田カイロプラクティックセンターのスタッフ全員による読書三昧。
ダントツで院長増田裕DCの読書量が多いです…。

心臓の暗号

2008-03-05 18:35:19 | アレルギー参考図書
心臓の暗号
ポール ピアソール
角川書店

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(増田裕記)
10年近く前、カイロプラクティックの筋膜療法のセミナーを受けていたときのことである。セミナー名は「ニモテクニック」インストラクターはDr.Laws女史だった。セミナー中、面白い話を聴いた。あるセミナーに出た人から、「肺は悲しみの臓器なのよ」と。「そんなこと信じられる?」セミナーはNET(神経感情テクニック)という。関心があれば参加するといい。と言われた。このNETで東洋医学のことを初めて知った。肺は悲しみ、心臓は喜び、肝臓は怒り、腎臓は恐れなど。東洋医学は数千年前から、身体の臓器と感情を結び付けていたのだ。

この本は東洋医学に関する本ではない。しかし、それに通じるものがある。

この本は西洋医学の医師が自分自身、骨髄移植手術を経験しており、脳と心臓を対比させながら、心臓の波動に着目し、心臓と心の関係を論じている。

この本で面白いのは「心臓エネルギー認識テスト」である。このテスト(25問)ではたいていの人がストレス状態にはまってしまう。ごく一般的な人の合計点は66である。これがポリネシアの人々となると、合計点は8である。

心臓は「身体の各部分への指令を含む情報エネルギーを送り出し、循環させているはずである」という。本書はこのエネルギーについての多様な角度からの考察である。

物理学は量子物理学を生んで、機械論的ニュートン物理学を超えているのに、生物学の分野では今なお、伝統的なニュートン・デカルト的機械論が支配的である。物質が機能を支配しているというのである。ところが、機能を支配しているのはエネルギーや情報であるのに。本書はそうした古典的視点の呪縛を解きほぐそうとする試みのひとつである。


生命(L)エネルギーの特徴が20項目にまとめられている。その基礎にあるのは量子力学で言うエネルギーの非局所性(ノンローカル)である。つまり偏在性である。これは参考になる。NAETはエネルギー医学のひとつである。74頁から83頁まで。このところは熟読玩味する価値がある。


例えば、1、生命エネルギーは光より速く移動する。生命エネルギーは秒速30万キロメートル以上の速度で人体の内部を行き来し、身体の外に放出される。テレパシー、遠隔療法、祈りなどによって、「ノンローカル」な効果を発揮できるのはそのためである。

2、生命エネルギーはノンローカル、つまり時空の制約をいっさい受けない。同時にあらゆる場所に存在しているので、生命エネルギーに波長を合わせてるのは「発信・受信」というよりも、「接続」に近い。

3、生命エネルギーはどんな物質を通過しても変化しないし、何かにさえぎられたり、方向がそれたりしない。

4、生命エネルギーは、電磁気力や、他の四つのエネルギー(重力、強い力、弱い力)をともなうことが多いが、ほかのエネルギー形態とちがって測定が難しく、力の強さ伝導性、速度、反応などは明らかに性質を異にする。

5、心臓は生命エネルギーでできており、独自の形でそのエネルギーを伝えると同時に、電磁場(EMF)の上にもおぶさっている。

6、生命エネルギーは、振動するエネルギーの束になって空間を満たす。粒子や波の形をとることもあり、あらゆる人間と事物のあいだで、またそれぞれの内部で情報を伝達している。

7、密度の高い物質のほうが、生命エネルギーの伝導率は高い。ただし金属などの固いものに当たると屈折しやすく、人間や動植物など有機体のほうがよく吸収する。

8、生命エネルギーはノンローカル(どこにでもある)なだけでなく、負のエントロピーを持ち(壊れたり消えたりしない)、形成力があり(破壊的でなく統合)。これはニュートンの熱力学の法則や、そこから導きだされるエントロピーーすべてのものは少しずつ壊れていくーと正反対である。

9、生命エネルギーの変化は観察可能な生物物理的変化に先立って起こる。

10、生命エネルギーは量子の世界に関わっている、つまりノンローカルと相対的に基づき、ニュートン的な線形の時空原理からは自由である。生命エネルギーに波長が合うと、時間や空間の制約から自由になった感覚を経験できる。

11、「見える・触れる」世界でははっきりとわかるわけではないが、生命エネルギーはらせん、身体を取り巻く雲(オーラ)、白熱、エーテル様の波などさまざまな形で知覚される。

12、生命エネルギーはノンローカルで、あらゆる場所に偏在するのだが、その痕跡をたどる人や事物のあいだを行ったり来たりしているように見える。

13、ノンローカルに関して、ベルの定理と呼ばれてものがある。これは量子的物理学の法則で、いちど接続したものどうしは、それからはいつどこにいようとおたがいに影響しあうというものだ。目に見えないエネルギーの流れが、過去に一度つながったものどうしを永遠に結びつける生命エネルギーは、いわば「接着剤」の役目を果たしている。

14、あらゆるエネルギーのなかで、生命エネルギーは最も古くから知られ、文献にも登場してきた。古代のオカルトや霊的な記録にも、あらゆる創造物に備わる生命力として言及されている。

15、世界最古の歴史を誇る二つの医学体系、すなわち漢方と和方は、かすかなエネルギーが基本になっており、彼らはそれを「気」と呼んでいる。

16、生命エネルギーはどこにも存在している。そのため古代宗教や先住民族のあいだでは、生命エネルギーをいろんな名称で呼び、治療の基本にしている。たとえばインドやチベットでは、「プラーナ」と呼ばれているし、イスラム教の神秘主義スーフィー教徒は「バラカ」という名前で呼んでいる。キリスト教では「聖霊」である。

17、現代心理学では、研究者の多くが生命エネルギーに関心を示し、「第五の力」「Xエネルギー」などの名称で呼んでいる。心理学者ウィルヘルム・リーは「オルガヌム」、ジークムント・フロイトは「リビドー」、フランツ・アントン・メスナーは(生理学者ルイジ・ガルバニーと同様に)「動物磁気」と呼んだ。カール・フォン・ライヘンバッハは「オディク・フォルケム」と呼んでいるし、ロシアの心理学者は「バイプラズマ」という用語をあてている。

18、心臓は電気的な活動にともなって生命エネルギーを伝達する。脳内の電気的活動をだいたい三十サイクルとすると、心臓の活動は二百五十サイクルにまで到達する。生命エネルギーはほかの形態のエネルギー内も移動できるので、心臓は生命エネルギーの最大の送り手であり、受け手である。

19、世界最古の癒しの教えであるヨーガでは、生命エネルギーのことを「チャクラ」と呼んでいる。これはサンスクリット語で、エネルギーの渦を回転させる輪を意味している。

20、医学の世界では生命エネルギーの存在を認めない人が多い。しかしその影響力を物語る報告例はたくさんあるし、生命エネルギーを治療に取り入れようとしている人もいる。



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