「何してる時が幸せ?」
いきなり何よ?という顔をしつつ
「んー、暖かい布団で寝てるとき」
問いかけが唐突だったが、
回答も何やらつましい。
「若い子でもあるまいし」
遅くまで寝るのも実は体力が要る。
じゃあ、と別の答を思案して
「美味しいものを食べるとき」
「例えば、どんなもの?」
「おいしいパンとか」
お金を惜しまない美食家じゃない。
旺盛な食欲を誇る大食家でもない。
「ちょっと珍しい美味しいもの?」
「そうそう」
「旅先で地の美味しいものとか?」
「いいよねぇ」
話に少し弾みが付いてくる。
「じゃ、旅行に行こうか」
「何処へ?」
「今年は別府&湯布院でしょ」
二人ともまだ行ったことがない。
「いつ頃がいいかな?」
「台風が来ないとき」
「じゃ、春先かな」
「それならパート休めそう」
「4月の初めくらいだね」
とんとんと話が進んでいく。
取って付けた様な会話の糸口から。
素敵な計画が始まることもある。
さあ、ツアーの情報を調べよう。