一度だけ演奏したことのある、THEエスクラ曲。もっともソロの度合いで言えば、ベルリオーズの幻想や同じレスピーギのベルキス、吹奏楽曲なら高昌師の吹奏楽のための協奏曲の方がはるかに高難度で派手に目立つのだが、ローマの祭りは3楽章10月祭での静寂を破り、エスクラが鏑矢となって主顕祭が始まるという、エスクラ吹きにとっては一種の神聖な曲なのだ。
そういう意味では、よくある1、4カットではなく3、4カットで演奏できたことは光栄であった。
エスクラ吹きは、ローマの祭り、ダフニスとクロエ、幻想交響曲、ベルキスが演奏できると成仏するとか何とか、、、
さてこの曲の主顕祭は終始D音階なので、エスクラだとシド♯レ♯ミファ♯ソ♯ラ♯シの音階になり、運指が複雑になる。きっとD管で吹けたらさぞ楽なのだろうが、プロでさえエスクラはE♭管オンリーで勝負しているのを垣間見るに、D管を用意することのコスパは良くないのだろう。
実は私は主顕祭冒頭ソロよりも、6/8拍子ソリの方が好きだった。このフレーズは今でも楽器紹介などで使ったりもする。
ローマの祭り(三部作)は所有CDも圧倒的に一番多い。海外はもちろんのこと、国内版だけでも東京フィル、日本フィル、京都市交響楽団、広島交響楽団、東京交響楽団と複数所有しているが、国内版の個人ベストはなんと言っても川瀬賢太郎指揮:神奈川フィルの最速主顕祭だ。
指揮者が広島交響楽団へ客演した際に、サイン会が開かれたので本人に直接賛辞を述べたところ、川瀬氏の反応は「あれ以上は無理でしょう」と仰っていたので、どうやら最速の自覚はあるのだと思った。
海外版ではマリスヤンソンス指揮:オスロフィルを推したい。基本ヤンソンスにハズレはないが、私がローマの祭りで重要視する2楽章50年祭最強奏部でのトランペットハイDが素晴らしく鳴っているのがこのコンビだ。
変化球としてスヴェトラーノフ指揮のフィンランド放送交響楽団も捨てがたい。ローマの松なら断然こちらに軍配が上がる。スヴェトラーノフといえどソヴィエト響の方ではないので誤解なきよう。
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