僕は競馬は観戦だけするのも、馬券を買って一攫千金の一瞬の夢を見るのも
よいと思う。余暇を楽しむ、人生の調味料みたいな存在とおもったりもする。
その意味で、馬券は、わいわいがやがや、仲間とあれこれ議論しながら決め
るのも、これもとっても楽しいだろう。 サイン、オカルト、はては犬ペタ、
どれも楽しいだろうし、それぞれ個人の楽しみ方は千差万別。
それらの馬券予想を否定しないのは、僕には忘れられない理由がある。
僕は完全データー主義でAccess, Excelを駆使して、プログラムを組み
だしてもう何十年にもなる。未だ満足できる完成度ではないが、現在約
10万頭分のデーターを自分のデーターベースにある。僕自身は馬の名前
はもちろん、過去の競争データーも一切覚えてない。聞かれても答えられない。
データー処理上、便宜的にコード化しているので、解らない。たとえば
秋華賞1着のリバティーアイランドの基本コードは1015230511-6。
これにいろいろなデーターがリンクしていく。馬名、脚質、成績、距離、枠順、
、、 マイナンバーカードと同じ理屈です。
どれほど世間的に有名な強い馬でも、数頭しか記憶にないが、唯一
、生涯忘れられない馬が2頭だけいる。それは、第51回桜花賞馬
「シスタートウショウと2着の「ヤマノカサブランカ」
僕が競馬にのめりこむ事になったレースでもある。この年の3月会社を
退職、無職のオケラの日々だった。気分転換に、祇園のサウナでくつろぎ、
表に出ると、花見小路が凄い人出。ぞろぞろその先の祇園場外馬券売り場
へ向かっていた。
暇だから、見学しに行った。 桜花賞と言うビッグレースがあると分かった。
僕は競馬新聞もなにも持ってない。 人ごみの中で隣人の新聞を覗いた。
新聞をのぞき見していると、「ヤマノカサブランカ」と「シスタトーショウ」
が目についた。
僕は映画が好きだった。特に「カサブランカ」と言う名画は英語の勉強にも
なるので英語のシナリオも買ってたぐらいだから。 そして、元同僚の年上
の女性に、映画「カサブランカ」の名場面のポスターを上げる約束をしていた。
年上の女性、、つまり「シスター」だ!!
僕は「ヤマノカサブランカ」と「シスタートウショウ」の組合せ6-7を
5000円で買った。(当時まだ3連単は無かった) レースがスタートした。
余りの人ごみで場外馬券場のTVも全然見れない。ピョンピョン飛び上がり
ながら見たがよくわからない。しかし、場内が大騒ぎになり、中継
アナウンサーが興奮気味に「ヤマノカサブランカ」と「シスタートウショウ」
の名前を連呼していた。 恐る恐る自分の馬券を確認した。6-7 5000円。
たしかに持っている。
配当を聞いて、手が震えた。6-7 「22620円」の万馬券、
5000円分。113万円!!配当受け取りは自動精算機は使えないとの事で、
100万以上の高額馬券専門の窓口へ行った。2人掛で1万円札を扇状に
広げながら、数えていた。 僕はジーンズの両ポケットに113万
をねじ込み、急いで公衆電話に向かい、家内に電話した。 家内は
興奮気味に「早く、早く帰っておいで!!」って言った。
失業中の僕、家内に100万、両親に6万渡した。 いつまでも、
忘れられない思い出レースだった。
以来、僕は競馬研究にのめりこむ事になった