16日(水)23:00-23:50、NHK衛星第一でBS世界のドキュメンタリー<シリーズ 調査報道>「核廃棄物 10万年の危険」が放送されます。
温室効果ガス排出削減を掲げて、先進国の核技術関連産業は盛んに途上国への進出を目指しています。しかしながら、原子力発電所から出る放射性廃棄物の最終処分法は未だ確立されていません。最も現実的な方法は、地下深くの安定した岩盤層に埋めるやり方ですが、場所の選定が容易でなく、各国とも頭を痛めている状況にあります。そうした中で、フィンランドは、いち早く使用済み核燃料の最終処分場「オンカロ」(フィンランド語で「隠し場所」)の建設を始め、安全性試験を行っているそうです。その計画によるとオンカロは太古の岩盤層を深さ500mまで掘り下げた先に作られ、満杯になる100年後に入り口が完全封鎖されることになっています。
ところが欧州の基準によると、廃棄物から出る放射線は、生物にとって安全なレベルに下がるまで、10万年かかると見なされているのです。10万年とは現存する人類の寿命をはるかに超える期間ですが、その間に起こりうる革命や戦争のみならず、気候や地殻の大変動、果ては人類滅亡後に出現するかも知れない知的生物にどう対処すべきか、原子力というパンドラの箱を開けてしまった人類が直面する難題を描いたドキュメンタリーです。
原題は、Into Eternity(デンマークMagic Hour Films 2010年制作)で、2010年パリ国際環境映画祭グランプリ受賞作品です。
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