櫻井郁也ダンスブログ Dance and Art by Sakurai Ikuya/CROSS SECTION

◉新作ダンス公演2024年7/13〜14 ◉コンテンポラリーダンス、舞踏、オイリュトミー

崩落する新しい建築物:アインシュツルツェンデノイバウテン

2015-10-16 | アート・音楽・その他
ドイツのロックバンド「アインシュツルツェンデノイバウテン」Einstürzende Neubauten のライブをテレビでやっていたので、懐かしさ半分に見た。1990年のライブだから、ベルリンの壁が壊された翌年。ヨーロッパが激しく動き、ある種の興奮状態にあった。

インダストリアル・ミュージックと呼ばれた彼らの特徴は鉄くずや廃棄物を使った創作楽器をフル活用したサウンドやパフォーマンスだったが、改めて聴くと、やはり音楽センスの良さや構成力の上手さを感じる。一見無茶苦茶ななかに品性が潜んでいて、いま聴いても古さがないなと思った。歌詞やライブスピーチの言葉も、なかなかいい。

バンド名も訳すなら「崩落する新しい建築物」となるか、なかなかの感触だ。

当時は、彼らの音をサンプリングして使ったバンド「デペッシュモード」やメンバーがダブる「ニック・ケイヴ・バンド」の方を沢山聴いていた気もするが、いま聴くとこの「ノイバウテン」の方がカッコいいかも。

振動スル。挑発スル。

世の中の予兆を読み取るように何かを生み出してゆくエネルギー。
それがアートだし、それは時を経てなお萎れない力を持つと思う。

1990年。あれから世界は二転三転して未だ動き続けている。動き続ける世界に生きながら、僕は何を紡いできたのか。いま、これから、何を紡いでゆこうとしているのか。そんなことも考えながら、
グワーンと脳天を叩くようなノイズロックを25年ぶりに聴き返していた。

「半分人間」と自らを呼んだ「崩落する新しい建築物」たち。彼らはいまも活動している。サイトを見た。相変わらず、いや、もっと、なかなかなのだ。
年季の入った貫禄が、実存と虚無の震度を強めている。来日すればいいのに!

ドスの効いた連中を見ると、こちらも胸穏やかにはいられない。
(ハナから穏やかである筈も無いが)

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