フランス トゥルーズのくらし

フランス 南西部の街 トゥルーズからのお便り

キャビアと明太子

2022-01-08 07:03:15 | グルメ

一度目の駐在員事務所勤務を終えて間もなく,

旧職場の仏人秘書が日本の我が家に数日滞留した。

子供たちは大喜び。

当時私は、食品の輸入バイヤ-をする傍ら、

東京にキャビアショップ&レストランをオープンさせた。

社は当時売れっ子のレストラン仕掛け人と契約し

店舗設計と運営を委託した。

バブル絶頂期から景気の泡がはじけ始めた時期。

有名なミュ-ジシャンが結構贔屓にしてくれた。

しかし売り上げは、毎日苦戦。

毎週、大阪から出張し、店舗応援。

受付も自らかってでた。

そして、閉店直前になるや否や素早く仕事着を脱ぎ、

顧客として客席につき、キャビアとシャンパンを注文する。

そして店が閉まる直前には、缶入りキャビアを手土産に購入する。

売り上げ嵩上げそのものだ。

 

帰阪して、その仏人秘書と子供たち3人、家族6人で

キャビアを分け合った。内容量は25gだったので、

1人当たりわずか4g。

長男が言った。「お父さん、コレいくら位するん?」

「そうやな、お前の自転車1台分くらいや!」

「エエッツ!!」

「ぼく そんなんやったら、明太子のほうがエエわ!」

 

3人の子供たちは、成人してから誰一人 

キャビアを食べたいと言わない。

世界の三大珍味の1つと言われたキャビアだが

我が家では、ついに明太子に勝つことは出来なかったのである。

 

  • 私流のキャビア楽しみ方:
    冷凍庫に入れておいたポーランドのズブロッカ

   とグラスとそして冷えたシャンパンを準備。

   キャビアを口に含みながら、とろとろになったズブロッカ

   と泡立つシャンパンを別々のグラスで交互に味わう。

   (すぐに意識は朦朧となります。)

 


どら焼きとフランス人

2021-11-13 21:59:32 | グルメ

どら焼きとフランス人

 

伴侶がエシャンジュを始めた。

(仏人が日本語を勉強し、日本人がフランス語を

勉強する交換授業のこと)

相手は、アドレ-ヌ 。おかっぱ頭の女性30歳だ。

日本の文化に傾倒し、弓道もやっている。

エシャンジュの中で、偶然、映画「餡(あん)」が

話題が出たらしい。

でも餡がどんなものか、彼女は知らないと言ったそうだ。

そこで、今日

エシャンジュ終了後、伴侶が手づくりの

どら焼きをそっと出した。小さなお皿に2つ。

1つをぱくりと食べた。が、2つ目は手を付けない。

「不味いの?どうしたの?もう1つ食べないの?」

「う-ん。う~ん。本当はね、妹にもって帰ってあげたいの。」

「そうなんや。妹さんと一緒に住んでいるんやね!」

「でもまだたくさん残ってるよ。」

と聞くや否や彼女は2つめもパクリ。

はにかみ屋で、神経質で、ややもすれば

自己表現の乏しい女性らしいが、

帰り際「メルシ-」の言葉を残して、

妹さんにどら焼きを

持ちかえったのは言うまでもない。

 

フランスには、日本文化に魅せられている人は多い。

生け花、柔道、空手など。そして最近では

Manga (漫画)、コスプレに夢中になり、日本語を

話す若者も多くいる。

ひょっとして日本人以上に日本文化に造詣が深い人が

多いのかもしれない。

そして同時に、日本のおいしい食べ物に

恋している人たちだと言っても過言ではない。

 

小豆は、フランス産、有機栽培のもの。

小粒で、あっさりしている。