フランス トゥルーズのくらし

フランス 南西部の街 トゥルーズからのお便り

おお マイ スイフト

2022-01-20 23:00:40 | 日記

6年前 トウルーズ郊外 、スズキの販売店でスイフトを購入した。

販売担当者は、私の拙いフランス語を努めて理解し、

適切にアドバイスをしてくれた。

その年の瀬、お礼を込め彼にSMSで年賀状を送付したところ、

返信には

「賀状頂戴しました。とても残念なお知らせですが、訳あって

スズキを退社しました。しかし困ったことがあれば気軽に

どうぞご連絡ください。」とメッセ-ジを残し、

彼は姿を消してしまった。

 

 

購入後4年以上の時は流れ、今日は2度目の車検のため、

スズキに車をもちこんだ。

受付係との手続中、別の従業員らしき人が、

割り込んで受付係と朝の挨拶を短く交わした後、

こちらを振り返り、

「スイフト、調子いいですか?」と思いがけない言葉。

驚きながらも「エエ、いいですよ!」と答えると

ハイタッチで彼は私に「ボンジュ-ル!」。

私もそれに応えながら、見覚えのない従業員らしきその人に生返事する。

マスクを外して脱いだ帽子の下から、笑顔がのぞき、

「あなたにスイフトを販売したフランクです、、、。」と目で語っている。

そして奥のアトリエ(工場)へと姿を消していった。

 

係の人に「彼はスズキを退社したのでは?」と尋ねると

「エエ、そうですが彼はこうして毎日この販売店に顔を出すんですヨ。」

 

不思議だな~。

しかし、なぜか分からないが、すがすがしい気持ちになった。

 

退社した人が、こうして気安く毎日訪れる販売代理店。

この現場には人の心を和ませる社風が根付いていると感じた。

スイフトは日本語に訳すと、「迅速」。

でも彼との再会は6年もかかってしまった。

兎にも角にもスイフトのお陰で

予期せず、お世話になった人と巡り会うことができた。

おお マイ スイフト!!


キャビアと明太子

2022-01-08 07:03:15 | グルメ

一度目の駐在員事務所勤務を終えて間もなく,

旧職場の仏人秘書が日本の我が家に数日滞留した。

子供たちは大喜び。

当時私は、食品の輸入バイヤ-をする傍ら、

東京にキャビアショップ&レストランをオープンさせた。

社は当時売れっ子のレストラン仕掛け人と契約し

店舗設計と運営を委託した。

バブル絶頂期から景気の泡がはじけ始めた時期。

有名なミュ-ジシャンが結構贔屓にしてくれた。

しかし売り上げは、毎日苦戦。

毎週、大阪から出張し、店舗応援。

受付も自らかってでた。

そして、閉店直前になるや否や素早く仕事着を脱ぎ、

顧客として客席につき、キャビアとシャンパンを注文する。

そして店が閉まる直前には、缶入りキャビアを手土産に購入する。

売り上げ嵩上げそのものだ。

 

帰阪して、その仏人秘書と子供たち3人、家族6人で

キャビアを分け合った。内容量は25gだったので、

1人当たりわずか4g。

長男が言った。「お父さん、コレいくら位するん?」

「そうやな、お前の自転車1台分くらいや!」

「エエッツ!!」

「ぼく そんなんやったら、明太子のほうがエエわ!」

 

3人の子供たちは、成人してから誰一人 

キャビアを食べたいと言わない。

世界の三大珍味の1つと言われたキャビアだが

我が家では、ついに明太子に勝つことは出来なかったのである。

 

  • 私流のキャビア楽しみ方:
    冷凍庫に入れておいたポーランドのズブロッカ

   とグラスとそして冷えたシャンパンを準備。

   キャビアを口に含みながら、とろとろになったズブロッカ

   と泡立つシャンパンを別々のグラスで交互に味わう。

   (すぐに意識は朦朧となります。)