フランス トゥルーズのくらし

フランス 南西部の街 トゥルーズからのお便り

コロナのささやき

2022-03-09 01:52:03 | 日記

A :「チエッツ 、もう2週間経ってしもうたで。」

B:「お前が 今回の この爺さん 体重が53kgしかないし、酒飲みで

  以前はヘビ-スモ-カ-やったから、絶対あの世に送り込めると

  太鼓判おしていたやんか?」

A:「そうや 体温計も計測不明の42度までいったよな。」

  「多くのじいさんは 冷凍のハンバ-グ食べたり、インスタント食品

   たべたりするけど、このじいさん 全くそんなもん食べてへんみたいやった。

   そやからチョット面食ろうてしもた。」

B:「腹立つけど どうやって熱下げよったんやろ。」

A:「最初は『漢方薬』飲んでるみたいやったけど。。

  それが効かないとみるや、変なもん 飲み始めたんや。」

B:「なんや その変なもんちゅうのは。」

A:「まずは 大根のおろしにショウガ、醤油、3年番茶がはいったもんや。

   こんなもんで何になると馬鹿にしてたんや。

   そやけど、これで熱がドーンとさがったんや。コロナ本部に連絡とったけど

   彼らもその中身のことよう知らんかったみたいやで。」

A:「挙句の果ては、熱さましに、豆腐を氷嚢がわりにつかってたんや。」

A :「この爺さんの伴侶が色々と細工したみたいやで。」

B :「その伴侶 どんな顔してんねん?」

A :「あほか すごい怖い顔してるからまともに見たことないんや!」

B :「そんな怖い顔してんのんか?」

A:「おれらコロナも、ボ-ッとした顔つきの人間にはとりつきやすいけど

  怖い顔には、ほんまアカンわ。」


おお マイ スイフト

2022-01-20 23:00:40 | 日記

6年前 トウルーズ郊外 、スズキの販売店でスイフトを購入した。

販売担当者は、私の拙いフランス語を努めて理解し、

適切にアドバイスをしてくれた。

その年の瀬、お礼を込め彼にSMSで年賀状を送付したところ、

返信には

「賀状頂戴しました。とても残念なお知らせですが、訳あって

スズキを退社しました。しかし困ったことがあれば気軽に

どうぞご連絡ください。」とメッセ-ジを残し、

彼は姿を消してしまった。

 

 

購入後4年以上の時は流れ、今日は2度目の車検のため、

スズキに車をもちこんだ。

受付係との手続中、別の従業員らしき人が、

割り込んで受付係と朝の挨拶を短く交わした後、

こちらを振り返り、

「スイフト、調子いいですか?」と思いがけない言葉。

驚きながらも「エエ、いいですよ!」と答えると

ハイタッチで彼は私に「ボンジュ-ル!」。

私もそれに応えながら、見覚えのない従業員らしきその人に生返事する。

マスクを外して脱いだ帽子の下から、笑顔がのぞき、

「あなたにスイフトを販売したフランクです、、、。」と目で語っている。

そして奥のアトリエ(工場)へと姿を消していった。

 

係の人に「彼はスズキを退社したのでは?」と尋ねると

「エエ、そうですが彼はこうして毎日この販売店に顔を出すんですヨ。」

 

不思議だな~。

しかし、なぜか分からないが、すがすがしい気持ちになった。

 

退社した人が、こうして気安く毎日訪れる販売代理店。

この現場には人の心を和ませる社風が根付いていると感じた。

スイフトは日本語に訳すと、「迅速」。

でも彼との再会は6年もかかってしまった。

兎にも角にもスイフトのお陰で

予期せず、お世話になった人と巡り会うことができた。

おお マイ スイフト!!


受け継がれてゆくメッセ-ジ

2021-12-29 04:33:10 | 日記

 

戦中戦後、6人の子供を育てた義母。伴侶はその5番目。

私達の2度のフランス在任中に、その義母は2度来仏した。

お陰で純和風料理を心行くまで堪能できる日々だった。

 

そして日本帰国後、

ある日、鰆の味噌漬けをお土産に我が家にやってきた。

あまりの美味しさに舌がとろけそうだった。

一切れ1200円の代物だそうだ。

33年前 、当時では 考えられない高値。

家族は5人なのでそれだけで6000円。

義父亡き後のわずかな年金、決して裕福ではなかったはず、。。。

 

お正月には、子や孫など20人から30人が集合することもあった。

義母が前もって吟味した素材は、一級品としか言いようがない。

すべてが 割烹料理店に卸される素材だそうだ。

焼き肉用の牛肉は4kg調達。

鯖寿司は10本程度すべて一人で作った。

 

ビ-ル大瓶を1ケ-ス買っていたが、足りないとみるや、

そ-っと嫁嫁に気遣わせないように

歩いて市場までスタコラさっさと、買いにいった。

子や孫はガヤガヤとおしゃべりしながら

近況を語り合い、孫の泣き声も聞こえ、狭い2階建て長屋は

足の踏み場もない。

 

義母の料理は、家族の絆を深めるための「添え物」である。

子や孫のために、もてなす瞬間が 義母の至福の瞬間だった。

 

孫たちは今、義母の料理の手はず、秘訣を忘れず、

家庭で食卓に並べる料理を手作り、

そして友人知人を招いては

気軽に手料理を振る舞う喜びを味わっている。

 

義母のモノ言わぬメッセ-ジが彼らの胸中に届いている。

口癖は「人にすることは、自分にすること」。


友達に悪い事したかな~

2021-11-19 06:28:53 | 日記

友人に悪いことした? 

近所に40年来の友、仏人カップルが住んでいる。                      

「キュ-ル(CURE)」が終わってから、

一緒に食事をしようね、と約束していた。

それがやっと、実現した。

いつも通り話が弾み、4時間足らず会話は途切れることなく続いた。

男の手料理イタリアンなのに、めっぽう喜んで帰っていった。

聞いてみると

「CURE」開始前日、親戚のご不幸で、その実行を断念。

そしてお葬式終了後に、我が家に来てくれたということである。

CURE とは?「ホテルでの断食」。

英語で「ファステイング」というらしい。

宿泊の2週間前から準備として、肉や魚は食べない。

動物性たんぱく質を摂らず、水と野菜だけで身体の大掃除をする。

ホテルではちゃんと指導者がいて、健康状態を管理し、

安全な断食がプログラムされている。

断食とはいっても、朝、昼、晩、就寝前に、酵素ジュースが出る。

これを飲むと、あまり空腹感を感じないらしい。

今回2人は、ホテルでの断食こそ、しなかったものの、

予定していたCURE の準備で、

2週間自宅で野菜ばかりの食事制限をまじめに実行した。

そこへ、このイタリア料理だ。

サ-モンとふんだんの生クリ-ムとパルメザンチ-ズの

ハーモニ-抜群のフェットチ-ネと

アンチョビ、ケーパ-の濃厚なトマトソース仕立ての豚フイレ肉ソテ-。

サラダにチ-ズ、レモンケーキ(ホームメ-ド)、

クッキ-(ホームメ-ド)、etc

2週間のダイエット労苦は、完全に水泡に帰した。

リバウンドの引き金になるだろうか?

友人達に悪いことしたかな~。

でも、次回もまたCUREの直後に誘ってみよ~っと!


大根の気持ち

2021-11-02 21:42:24 | 日記

大根の気持ち

 

健康管理に欠かせない日本伝統の食材は、

ゴマ、魚、大根、大豆、海藻類、茶の6つだと言われる。

日本人の長生きの秘訣は、戦後の欧米食の取入れと

この伝統食材のお陰げかもしれない。

さて、大根だがトゥル-ズでは、

みずみずしい新鮮な大根が、なかなか見つからない。

日仏ハ-フの熟年マダムよると、

「大根?近所のアラブのお店で、時々売っています。」との情報。

 

早速、恋人にでも会いに行くように、

わくわく心を躍らせながら、かの店に直行。

「これだこれだ!」丸々とした

白ねずみ(十数センチ)くらいのまぎれもない大根。

尻尾もあって なかなか愛らしい。

先ず、大根おろしにして、おそるおそる試してみる。

「なかなかいけるぞ!コレ!」

翌日、みそ汁にも入れてもらったが、こちらも

申し分がない。

日本の大根の味とほとんど遜色がない。

このチビ大根、Navet Marteau ( ナヴェ・マルト-) 

と言うらしい。

ナヴェは かぶらや大根のことを意味し、

マルト-は金槌(ハンマ-)と辞書に記載されている。

俗語だが、マルト-の意味がもう1つ。 

「気が狂っている、頭がおかしい」と書かれているし、

古語では「間抜け、バカ者」と付け加えられている。

このチビ大根に私は心から同情してしまう。

日本では、「大根役者」という比喩もある。

日仏で大根をバカにしている。

「リンゴの唄(※)」に入れ替えて、

「大根は何も言わないけれど~♪♪」

でも私は 大根を決してバカにしないぞ!!