今日は、時計の表輪列(おもてりんれつ)の話である。
家庭内では携帯電話が常識となった今日でも、一歩外に出ると意外に時計台は残っている。
コンビニエンスストア、映画館、駅などには大きく置いてあるが、携帯電話と同じ重要度想いで接することができる人は多くないのではないか。
なぜか?
公衆という広範囲向けであり、表示のわかりやすさが有りながらも常時要らない、時計は時間以外からのメッセージ性が弱い。
時計:「……」(無言)時計台をみる人:「こんな時間か……」
時計台のメッセージ性はやはり時刻のみであり、鯉のぼりのようなお祝いのメッセージは込められていない。
表輪列…中の地板をはさんで裏蓋側に設けられた香箱車、2番車、3番車、4番車で構成される輪列である。
ゼンマイの動力を増速させて脱進調速機へと伝える働きをする7つに分けられた部品である。
香箱車(1番ぜんまいを納めた丸いケース)・2番車(分)・3番車・4番車・がんぎ車(5番)・アンクル(6番)・てんぷ(7番)と機械式駆動の根幹をなす。
逆回転を組み合わせ交互に右回りをする2番目4番目が時計台の「1~12」を2針が指しているのである。
回る物にはエネルギーが生まれ、月の満ち欠けが1年間に12回、12の干支、12星座、1年は12ヶ月、1日は24時間(=12時間×2)で午前、午後それぞれ12時間、1時間は60分(12×5)、1分は60秒(12×5)といった具合で、12がベースになって定められている。
これを伝える歯車達は、一枚の円盤の外周部に歯形が設けられ、抵抗を減らしたり、歯車の歯面を磨いたり、番車同士の中心感距離の設計値からのズレを少なくなるように、また歯形が設計図通りできるようにズレが極力少なくなるように加工されて、永遠的に12を刻む…
これは表輪列(おもてりんれつ)の話である。
“歴史を調べる“を習慣にしてみてはいかかでしょうか?
最後まで見ていただき、ありがとうございました!
次回予定『あ行 おしどりという部品』
登場語録…時計、おしどり、リューズ、時刻を合わせる、鴛鴦(えんおう)
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