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時計知識、技術

『多くの課題Task3 部品』

2020-05-09 17:41:33 | コラム 小論文
今日は課題Task3 部品手作業製作の話である。

Winding core巻き芯を作成するという作業。

しかし、単に「もの」を手作業でつくるだけでは、生き残れない。


現代人は器用である。

容易に作れるがあえて手作業で作る本当の技術「残り1の感覚」とは…

手作業は必要か?答えは10のうち1は視覚なりの感覚がいる。センスのようなものである。

残り1が出来ないと諦める事もある。職人の感覚…。
必要ではあるが、何故技術者の後継者が増えないのか。よく脱サラして農業を始めるという人もいますが、時計を始めるには機械の初期費用はかからない。

初期費用が嵩んでもそれなりに収入があれば納得ができるものある。 しかし時計業界に従事するには、サラリーマンの年収より少ないと言える。 しかもサラリーマンと違って、コストというものが必ずかかる。


例えばこんな授業…①~⑤工具が要るが手に入れられる範囲である。
支給された2mm時計用①ドライバー材を図面に基づき巻真部を製作する。
手加工で製作することを原則としているので②卓上旋盤等の機械の使用は認められない。
角部の加工、円柱部の加工、まさに③ヤスリの基本である。もちろん金属加工である。刃物を当てて所要の形に切り削るのに使う。オシドリが入る溝とツヅミ車が刺さる面を作る。鋼の丸棒を固定、ネジ部を作る材料がネジの外径になるまで④バイト(刃物)で削っていき、その後、⑤ダイスと呼ばれる雄ネジを切る為の道具を使い、ネジを切り、ヤスリを用いて四角柱となるように4面を均等に削る。ここにはツヅミ車が刺さる。⑤バーナーで焼き戻して硬くて靭性(粘り)のある巻き芯に仕上がる。

この焼きの作業だけは本当に感覚で見極める。

現代人は器用である。

容易に作れるがあえて手作業で作る本当の技術もこういった場面でやはり「1の感覚」必要である。

これは手作業で部品製作をするにあたっての課題の話である。


最後まで見ていただき、ありがとうございました!
次回予定『あ行 多くの課題その4(1~4に分けて短く掲載) 』
登場語録…時計、磨く



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