移住時を振り返る

 

 2012年 8月6日のマニラ新聞から

新移民残日録
第342回　困窮邦人の暮らし

　水谷竹秀著「日本を捨てた男たち」が好評で、マスコミから、フィリピンの困窮邦人に
関する問い合わせが多くなってきた。困窮邦人に対しては「自分でまいた種は自分で刈れ。
自業自得だ」という厳しい意見が多い。だが、彼ら日本人が生ませた新日系人二世を
同じ目線で冷たく放置することは、私にはできない。だから、私が川平健一専務と一緒に
運営する「新日系人ネットワーク」（ＳＮＮ）の存在意義がある、と考えている。

　◇老後を問う

　数カ月前に、ＮＨＫテレビの「首都圏スペシャル」で「老後を問う」という特集をやっていた。
外国での無縁孤独死の激増と、特別養護老人ホームの「空き部屋待ち」40万人という
日本国内の高齢者が置かれた厳しい状況を対比していた。

　その頃、セブ市の中古雑貨屋、通称「ハポン・バスーラ」（日本のゴミ捨て場）をのぞいたら、
日本の「骨箱」やら「やすらかに」と書かれた木札やら、白装束が売られているではないか。
ギョッとした。　　

　こういう店では、孤独無縁死した人の部屋に残された「一切合切」を市役所からただで引き取り、
売っている商品が多いらしい。フィリピン人は「骨箱」も「やすらかに」の意味も、
「白装束」も知らないから、買ってしまうのだろう。ただ、こうした遺品を売るのは死者への
冒瀆（ぼうとく）であり、何とか日本へ送り返せないか、と思う。

　外国に住む高齢者は老齢年金のない人が多い。60歳を過ぎれば、仕事を探すのも大変だし、
ほぼ間違いなく困窮邦人になる。今50歳の人も、10年たったら、仕事も金もなくなるのだ。
今後、フィリピンでも困窮邦人が急増する事態が懸念される。

　老齢年金のない高齢者や、病気で失明、あるいは寝たきりになった人は、
公費で日本へ送還するしかないだろう。

　◇困窮邦人の知恵

　フィリピンで何とか生き延びるために、知恵を絞る日本人も多い。海辺のバラックに
転居して、海藻や貝、魚を採って食材にする。ヤシやマンゴーの実、
バナナは隣近所から失敬する。ゴミ拾いに精を出し、くず鉄などを売る。
アルミやステンレスは高く売れるから、うまくやれば１日３００ペソほどの稼ぎになる。

　ビサヤ地方レイテ島の山奥で暮らす夫婦の話を聞いたことがある。生活費は
ほとんどかからないそうだ。村の水道はわき水を利用しており、
水道料金は１カ月で50ペソ、電気代も１６０ペソで済む。

　主食は山に自生するカモテンカホイ（キャッサバ）だから、食費もほとんどかからない。
だから、毎月５千ペソ（約１万円）で生活できるというのだ。とにかく食べていけるから、
夫婦げんかもないという。ただし、インターネットはおろか、電話できないし、
日本の新聞も読めない。

　セブ島で、かつてはかなり有名で羽振りの良かった日本人が数カ月間、姿を消し、
過日、フィリピンの入管当局から私に問い合わせがあった。
問題が起きるとレイテ島の愛人宅に逃げるとうわさされてきたが、愛人宅が島のどこあるかは、
誰も知らない。今回は「死んだ」という根拠のないうわさまで飛び交っている。

　彼は私より、数歳年上のはずだが、困窮邦人として亡くならないよう、切に願う。

　困窮邦人として、孤独死しない手立てはある。要は「フィリピン病」にかからないことだ。
フィリピン女性の「優しさ」に溺れ、仕事を投げ出し、有り金すべてを女性とその家族につぎ込む。
若い女性が20歳も30歳も年上の日本人男性を純粋に愛するはずがないのに、
そう錯覚する。これが私の言う「フィリピン病」だ。

　金の切れ目が、縁の切れ目。身ぐるみはがれて、気がつけば困窮邦人になっている
自分に気付く。もう、手遅れだ。

　山は登る時より、下る時の方が慎重になる必要があるとされる。人生の頂点を極め、
これから下山というときも、ゆっくり慎重にことを進めないと、転落死する恐れがある。
フィリピンに住む日本人には、そのあたりを肝に銘じてほしい。（岡昭ＳＮＮ代表）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　  [ 2012年 8月6日のマニラ新聞 ]
   
 

 　本日の日記

　　2012年8月6日（月）　午前4時　天候　雨　気温25℃　湿度82%

　今朝はしとしと雨の降る中、4時に起床する。毎日此のこのくらいの、時間にスッキリした、
頭で起きれば最高ですが、いつも少し早めの、2時頃起きてしまう。よく考えたら
日課となっていた、寝酒を止めてから、体内時計が狂ったのですね、昨日は3年来、ブログ上で、
知り合ったコージさんと、お会い楽しく、語り合い上手いお酒を飲んだ、安酒がこんなに、
美味しかったとは、有難う御座いました。

 

　本日のマニラ新聞を見て、困窮邦人の記述が有り、考えさせられました。人の運命とは、

残酷ですね、私も数人の困窮者との、関わりりも有りますが、自分の事を振り返ってみますと、

東京で優柔不断に、生きてきた私が、永住を決意したのは、移住の1年前でした、親しい友人は、

前から周到に準備したから、タガイタイの地で、素晴らしい生活が送れると、私はその言葉を聞くと、

申し訳なくて穴が有ったら、入りたい心境になるのです。多くの困窮者が、日本の親族に、

不義理して、フィリピン国に渡って来ますが、私の場合は、全く逆で、日本の家族に、背中を押され、

移住1年前に、実際にフィリピンで、暮らせるか現地調査し、最終的決断を、下したのです。

　私が現時点で移住したとしたら、大家族共今のような、好い関係はできないだろうし、最後の時期

だったのでしょうね、今は混沌とした、日本を見てみて、逃げ出したようで、申し訳ない気持ちが、

強いのいです。我が身を思えば、良かったと思いますが、

先日日本からの、移住希望者が、移住先の下調べに、お出でになりました。その時に開口1番、

言われた事が、タガイタイは汚く、臭いでしたね、私はほかの地域、特にマニラでは、もっと汚く、

臭いよと返答しました。その方は移住の候補地から、タガイタイは消えているのでしょうね、

私は色々考えて、タガイタイは素晴らしいと、思って居るのです。

郷土愛が芽生えたのでしょうね、【笑】

 

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