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#もうこっちは電車に冷房が入る季節かぁ。最近は盛岡の人口密度に慣れたので、通勤時間帯をはずしても、電車の人口密度は耐えられない(一時の我慢だが)。
7月に閉館予定の岩波ホール、これで見納めになるだろう(父親以外にも今回の帰省は看取るものがある)。このラナ・ゴゴベリゼ監督も製作当時で御歳91と聞く。この映画館がなくなったら、今後ジョージア映画を観る機会はあるのだろうか。
場内は平日にもかかわらず、退役軍人世代で4割程度の入り。物語は、そうした現役を引退した元恋人同士の電話での会話が中心。何か出来事が起こるわけではない。お年寄りたちが、ソ連時代を振り返る、西アジア・ジョージアの歴史を政治ではなく個人の物語として語る物語。
登場人物の生活の風景は大変美しい。古い町並みでの暮らしは十分に観光地として魅力的。しかしこれはあくまでもソ連時代からジョージア独立、今の平和にたどり着くまでの歴史総括の物語。
中には、ソ連時代を懐かしむ人もいる。その時代に良い地位を得ていた人たち。長年の友情が今になって壊れたりする。
日本では、77年前の戦争を語れる人はどんどんいなくなっている。しかし旧ソ連だったジョージアの昔話は、まだ30年しか経っていない上に、ウクライナ侵攻が始まった2022年においては、すでに過去が繰り返されているとも言える。そういったリアリティをもって、主人公と元恋人が語り合うエピック(叙情詩)は、とても力強い物語だ。