個人的にはAdolf Wölfriみたいな細密系の作品が好きだが、今回もその系統の作品が多い。中でも古久保憲蜜の作品は、色や線の主張がすごくて、少し離れて観ると立体画のように見えて、これはヤバい。
長恵の目を大きく見開いた天子(天使ではないらしい)、これもまたMadge Gillのような取り憑かれたような眼力のある絵が強烈に印象に残る。
澤田真一、一見古代の埴輪のような造形作品。しかしウルトラマンに出てくる怪獣のようでもあり、円谷プロにこの人がいたら面白そう。と言うか、こういう見たこともない想像上の動物を見ると、生物の進化というものはこうして起こるものなのか、とも思う。
林田領一、もしかしてこれは戦時中の記憶なのか。ロシア語や中国語の看板、しかも年季を感じさせる模写。慎ましやかに人生を過ごして来た人が、突然あの時代の記憶を取り戻したかのような作品。
本来、芸大と言うアートを教育する機関が、こうして芸術教育を受けていないアーティストの作品を扱うようになった。基本的にアカデミックな研究対象は評価の確立した古典から始まるが、大衆文化、サブカルチャーなど現在進行形の芸術文学も扱うようになり、さらに芸術教育を受けていないアーティストにもスポットを当てるようになった。最終的には芸術は人類学に取り込まれるのだろう。なぜ人間がアートや文学を必要とするのか、その根源ヘ迫る試み。コロナ自粛によって多くのエンタメ、アートが縮小しつつある時代に、それらの本質的な存在意義を問いかける展覧会である。
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