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ラスベガスで自動運転のBMWに乗車する。Lyftのプラットフォームを使った試験サービス:CES 2019

2019-01-11 13:46:12 | ニュース

完全自動運転の世界が来る日は近い?

 

世界最大級のテクノロジー関連展示会「CES2019」の取材でアメリカ・ラスベガスに来ています。

アメリカは車社会なだけにレンタカーがあると便利なのですが、CES開催中はさまざな移動手段が用意されているので、日本からの旅行客も移動には困りません。

メイン会場からストリップと呼ばれる繁華街にはモノレールが走っています。また、ストリップでは、SDXやDEUCEと呼ばれるバスが頻繁に走っており、決して安くはないのですが移動に困ることは少ないです。また、会期中は会場とメインホテルを結ぶ、シャトルバスも頻繁に走っています。

ただ、急いでいるときはやはりタクシーに頼らざるを得ませんが、それも数年前までの話。いまでは、ライドシェアと呼ばれる、アプリで車を呼び、目的地まで運んでもらうサービスが充実しており、空港からホテル、ホテルから会場など、自分の行きたいところにすぐに安価に行くことができます。アメリカではUberとLyftがライドシェアの二大勢力です。

実はラスベガスでは、Lyftのプラットフォームを使った自動運転車が走っています。果たして、自動運転車がどういったものなのか早速試してみました。

 

 

ストリップにあるホテルでLyftアプリを立ち上げ、目的地を入力すると「Select Self-Driving」という、通常では出てこないボタンが表示されました。
ライドシェアは、近くにいる車をアプリから通信で探し出す仕組みです。つまり、たまたま自分の近くに自動運転車がいて、自分のところに来てくれるというわけです。もちろん、近くにいなければ表示されることはありません。
CESに来て初めて立ち上げたLyftでいきなり自動運転車が捕まったのはラッキーでした。

早速、自動運転車を選ぶと、改めて意思確認が行われ、OKすると配車されました。かなり近くにいたようで2分で目の前にやってきました。

 

 

車種はなんと「BMW 540」。かなりの高級車です。Lyftは、スタンダードな車や高級車、大型車などが選べるのですが、もちろん、それによって料金が変わります。普段はプリウスなどスタンダードな車ばかり乗っていますが、まさかBMWで移動できるなんて感動です。

さて、これから乗車するのは自動運転車ですが、運転席と助手席には人が乗っていました。

どうやら、自動運転で万が一のことが起こらないよう、また自動運転できない場所もあるので、運転席に人が乗っているようです。また、助手席にいる人は自動運転車がどういった仕組みで走っているかを教えてくれるガイド役のようです。

「自動運転車、撮影しまくるぞ」と思った矢先、ガイドのオバちゃんから「動画と静止画の撮影はNGよ」と注意されてしまいました。仕方ないので、撮影は諦め、自動運転を楽しむことに。

なお、この自動運転車はAptivという会社が開発しているもの。Lyftのプラットフォームを使い、一般の人を乗せることで、技術を磨き上げているようです。

今回乗車したBMW 540には、2つのGPS、信号を読み取る1つのカメラ、複数のレーダーなど、全部で23のセンサーを活用して周辺の状況を読み取り、トランクに搭載された2つのコンピューターで処理して自動運転を行なっているとのこと。ホテルの敷地内はマニュアルモードで走り、大通りに出ると自動運転モードに切り替わり、運転者はハンドルから手を離します。

ダッシュボードには、センサーが読み取った情報がリアルタイムで表示されています。人間が目視できない遠距離にある信号がいま赤なのか青なのかがわかったり、横断歩道に歩いている人の影を確認できたり、隣のレーンを走る車の様子が克明に捕らえられたりしていました(撮影できなかったのが残念)。

肝心の乗り心地はというと、自動運転モードが実にスムーズで、本当に驚きました。

前方に車が割り込んで入ってくれば、速度を落としますし、赤信号ではきちんと止まります。オバちゃんによると、信号と車が通信をしており、信号の状況が絶えず送られているとのことでした。

目的地のホテルに近づくと、左折をするために、自動的にウィンカーが点灯して減速、左のレーンに入ります。アメリカは右側走行なので、左に曲がるには対向車が来る交差点を曲がる必要があります。対向車の状況もきっちりと判断し、安全に左に曲がったときは思わず拍手してしまいました。

 

 

ホテルの敷地に入ると、自動運転は終了。あとは運転席にいるドライバーが手動で運転します。目的地に到着し、「外から撮影するのは自由よ」とオバちゃん。ということで、早速、降車して撮影タイムです。Lyftでは、乗車運賃があらかじめ登録しているクレジットカードから勝手に引き落とされるので、降車する際に支払いの必要がありません。

撮影を終え、興奮を抑えられないまま、取材先に向かっている途中、同乗していた同業者のOさんが、カメラをBMWに忘れてきてしまったことに気がつきました。すでに降車してから15分が経過しています。

 

 

Lyftのアプリには利用履歴が残るようになっており、画面に「忘れ物を見つけ出す」という項目があります。そこを選ぶことで、担当ドライバーにメッセージや電話で連絡ができるようになっているのです。 そこで、早速連絡したところ、無事にカメラを発見することに成功。なんと、Lyftでは、忘れ物をドライバーに15ドルで届けてもらえる機能も備わっていたです。10分後、我々の目の前に再び、BMWが登場。無事にOさんのもとにカメラが、戻ってきたのでした。

ちなみにAptivでは2018年5月から自動運転の試験サービスを行い、すでに5000回の実証実験走行を行なっているとのこと。Aptivは75台の自動運転車を保有しており、30台がCESの会期中にLyftでシェアライドサービスを提供しているといいます。

現状は運転席と助手席に人が乗っていますが、当然、技術的に進化し、道路や法律の整備が整えば、何年か後には完全自動運転のLyftというのも現実的になりそうです。

そうなれば、安全にいつでもどこでも安価に行けるようになるだけに、もっと移動がしやすくなるでしょう。ここ数年、CESは自動運転で盛り上がっていましたが、もはや夢の世界の話ではなくなる日も近いようです。


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