つまり中国以外は高価格?
アップルがクアルコムと和解してチップの供給を受けられるようになり、2020年のiPhoneが5G対応となることは確実視されています。しかし、複数モデルのうち一部しか対応しないとの観測もありました。
そんななか、2020年の新型iPhoneが全機種とも5Gに対応するとの予測が報じられています。
アップルのインサイダー情報で知られるアナリストMing-Chi Kuo氏は、以前「2020年iPhoneは、3機種のうち2つは5G対応」との予測を述べていました。が、Kuo氏の新たなレポートでは、全モデルが5G対応との見解に改められています。
Kuo氏が考えを改めた理由の1つは、アップルがインテルのスマートフォン向けモデム事業(の大半)を買収したため、5G対応iPhoneを開発するための十分なリソースを持っているということ。
もう1つの理由は、Android陣営との5G競争のため。2020年後半には5G対応Androidスマートフォンは249〜349ドルまで下がっていると予想。その時点では消費者が5Gを必須と捉えていると思われ、5G非対応は販売戦略的にまずいということ。それに加えて、高価格のiPhoneが携帯キャリアから多額の補助金を出してもらうためには、プレミアム機能である5Gのサポートが必須との趣旨が述べられています。
一口に5Gといっても、ミリ波(24GHz以上)とサブ6GHz(6GHz以下)帯という2つの帯域を使用するもの。Kuo氏によれば、2020年iPhoneは3つとも米国市場向けに両方をサポートするとのことです。
その一方で、サブ6GHzしか展開されていない市場(たとえば中国)向けには、その帯域のみとして(ミリ波を省いて)コストと価格を下げたバージョンを投入し、市場シェアの獲得を狙う可能性もあるとされています。
ただし、ミリ波とサブ6GHzを両方サポートする分とサブ6GHzのみバージョンでは、同じフォームファクタを採用していても別口の開発プロジェクトと見なされるとのこと。そして前者のユニバーサルモデル(全世界向け)が最優先事項であり、後者が2020年後半に間に合うよう準備できるかどうかは明らかではないと述べられています。
中国(香港やマカオ含む)限定iPhoneについては、すでに物理デュアルSIM対応版が発売された前例もあり、今月初めにもFace IDの代わりにTouch IDを搭載した安価なモデルを準備中との噂もありました。同地域でのシェア拡大を重視しているアップルが、ミリ波対応を省いた廉価版5Gモデルを用意する可能性は低くはなさそうです。
2020年iPhoneの噂としては、画面サイズは5.4インチ/6.1インチ/6.7インチの3モデルとなり、すべてOLEDを採用。そして2017年以降のiPad Proと同様のProMotion技術の導入や、ToF式3Dリアカメラを採用してARアプリの精度向上などが伝えられています。
中国向けの低価格モデルが用意されるとすれば、ユニバーサルモデルは"低価格"を意識しないということ。野心的なハイテクが詰め込まれた2020年iPhoneも、新型16インチMacBook Proのように「新境地を開拓する高価格」となるのかもしれません。
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