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アップル、インテルのスマホ向け通信モデム事業の『大半』を買収

2019-07-26 11:00:18 | ニュース

IntelにはPC、IoT、自動運転向け開発の余地

 
 
アップルは25日(日本時間26日)、インテルのスマートフォン向けセルラー通信モデム事業の"大半"を買収すると正式に発表しました。17000を超える無線技術の特許、設計設備とともに2200人のインテル従業員がアップルに入社します。買収価格は10億ドル(約1100億円)。規制当局の審査を経て、買収は2019年第4四半期(9月末まで)に完了予定です。

"大半"(majority of)と称されているのは、買収後もインテルにはモデム開発の余地が残されているから。ただし、PC、IoT、自動運転車向けという、要するにスマホ以外の分野に限られています。インテルにとっては、競合のクアルコムに太刀打ちできないスマホ分野はアップルに譲り、今後より伸びしろが見込まれるIoTなどの分野に特化する形で事業を縮小することになるわけです。

アップルとクアルコムは長らく知的紛争を抱えていましたが、5Gスマホ向けの通信モデムでクアルコムがほぼ市場を独占するに至って和解が成立。クアルコムからアップルへの半導体供給契約を結ぶに至りました。一方、アップルからの採用を最後の望みとしていたインテルは、アップルが和解を発表した直後に、スマホ向けの通信モデム市場からの撤退を発表しています。

つまり、クアルコムとの和解によりアップルにとっては、当面の通信モデム供給の問題は解決されているわけです。ここであえてインテルからの通信モデム事業の買収する狙いは、この技術を中長期的には内製化することで、供給問題の根本解決を意図しているものと思われます。

アップルではこれまでも基幹部品の設計の内製化を積極的に行っています。たとえばiPhoneのチップセットでは、当初はサムスン電子が設計したチップにカスタマイズを加えて利用していましたが、2008年にプロセッサー設計を手がけるPA Semiconductorを買収し、現在はARMベースの独自設計となっています。

今回の買収により、iPhoneのメインチップにIntelロゴが刻まれることはおそらく無いでしょう。ただしアップルにとっては、設計の独立性を確保するための重要なキーパーツを入手したことになります。


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