JR西日本が発足してまもない1987(昭和62)年4月、当時の交通鉄道博物館(大阪府大阪市・2014(平成26)年閉館)に保存されていた戦前生まれの展望客車「マイテ49-2」がイベント用として車籍復活した。「マイテ49-2」は、第2次世界大戦前の1938(昭和13)年に「スイテ37040形」として登場した1等展望車。また、乗り心地をよくするために3軸台車を備えているのが特徴。3年後、形式を「スイテ49-2」に変更してから第2次世界大戦が勃発、この頃から、軍事物資として花形特急(当時は燕(つばめ)、富士、櫻(さくら)など)で1944(昭和19年に廃止。そして1945(昭和20)年8月15日に終戦を迎えると、当時の連合国(GHQ)は軍人用の車両として提供、4年後の1949(昭和24)年に当時の国鉄に返還されたのち、内装を元の状態に戻した。そして1953(昭和28)年に冷房化。この時、冷房機器を乗せたことで車体重量が増し、形式を「マイテ49-2」に変更された。1960(昭和35)年に引退、廃車となった。
梅小路蒸気機関車庫に展示中のマイテ49-2。
車両前後に、特殊なペンシルバニア式のTR73形3軸台車を履いている。。
エアータンク(左)、ブレーキ制御装置保温箱(右)
ブレーキ制御装置保温箱製造銘板(株式会社五光製作所製)
所属、定員表記(1等16人、展望11人)
車両番号表記。
形式、自重、検査表記。全般検査は、2017(平成29)年11月に受けていたため、あと3年の周期を残して今回引退となる。引退後は、京都鉄道博物館で展示予定。
鉄道省大井工場、鉄道省製造銘板、国鉄鷹取工場改造銘板。
花形特急、第2次世界大戦、GHQ連合国連用車両への改造、SL運転時のイベント列車、電車区での一般公開の展示などなど、波乱万丈な車生を送ったマイテ49-2。またコロナが落ち着いたら、車内公開されるといいなと思う。
撮影日・場所…2022(令和4)年7月31日(日)・京都鉄道博物館梅小路蒸気機関車庫内
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