勝手にバイオ考察

自分の脳内整理用 考察記事

バイオハザード 7~8(ヴィレッジ)についての話 -7-

2023-12-16 21:52:57 | バイオハザード7/8について

※以下の内容は私自身の中でストーリーをまとめることが主目的です。

※妄想の部分も多くあり、正しいといえるものがすべてではありません。また、作品自体が解釈に幅が取れるような作りになっているため、

考え方を強制するものではありません。 もしこれを読んだ人が面白そうと思っていただいて、ゲームをプレイしていただけたら、ものすごくうれしいです。

※基本的にネタバレ全開なので、プレイしてから読んでいただくことをお勧めします。 

※各記事は予告なく追記・修正します。

 

★"バイオハザード7"とはどういう話なのか?

さて、前回まででバイオハザード8について重要なところはあらかた書き終えました。細かいことは書き尽くせてないですが、要するに、イーサン一家とミランダ一家はそれぞれ、違う形であれ家族のために命を懸けて戦っており、その対比構造こそがローズが今後この世界を救う英雄たる人格を形成するに必要なものだった、と私は主張したいのです。

(*細かいところ、というのは例えば各始祖のアイテムや保管状況から、始祖の姿と名前を一致させることができそう、とか、そういう本質的なところに踏み込まないところですが、他にも話したいことがあるので、それは後々書くことになります。)

前の記事でも書きましたが、バイオハザード7は8までやってしまうと、ミランダとローズをめぐる話の前日談くらいになっている気がするんですよね。個人的にはめちゃくちゃ怖かったですし、やりごたえもあったので、ゲームとしてはとても好きですが、そのストーリーの必要性というか、存在の必然性についてはしっかり考えていかないと、ふわっとしてものになるんじゃないかと思っています。

 

考察記事の序盤に、"バイオハザード7/8は通して家族愛がテーマ"と書きましたが、バイオハザード7の"家族愛"成分はどういったところに垣間見えるでしょうか?

1つは当然のイーサンがミアを救うという話から。2つ目はベイカー一家で、あのいかれたじじいもエヴリンの仕業でおかしくなってしまった、本当はあんなことしたくなかった、と言っていますね。そんな姿を見て救いたいと思ってゾイ(+ジョーもですかね)も家族を救うためにいろいろと行動していました。そして重要な3つ目。ストーリー中はぽつぽつ書かれているのですが、しっかり意識しないと考えないところが、"エヴリンの求める家族愛"です。バイオ7を考える上で非常に重要な要素で、これを理解することでバイオ7必然性がわかり、また今後のストーリー展開についての理解も深まるのではないかと考えています。

 

ではエヴリンについて今一度復習していきましょう。エヴリンを理解する上で、まず現在世界に存在するバイオ生物に何があるか、思い出します。今の時点では、以下3種類のウイルス・菌をオリジナルとしており、その派生系および組み合わせで成り立っています。

1.アフリカの始祖花タイプ=T-ウイルスの原種。

2.寄生生物タイプ=プラーガが該当。

3.カビタイプ=村の菌根を原種とする。

基本はこの3つで、バイオ7までは1.2.の組み合わせによって生まれたウイルスによるバイオハザードが描かれています。

バイオ8にてミランダの日記から、エヴリンはそもそも菌根とエヴァの胚をコネクションに提供してできた存在と分かります。

つまり、エヴリンは3.のカビタイプです。(プレイした方にとっては当然の事実ですが。)

作中、幾度となく出てくるのはエヴリンの家族に対する執着。ファイルの中では以下のように書かれています。

"自ら支配する集団を社会に溶けこませる上では
「家族」の形態が都合がいいと、本能的に察知したのかもしれない。

だがあるいは――隔離環境で育った彼女が愛情に飢えている、
と考えるのは感傷的に過ぎるだろうか。"

エヴリンが隔離環境の孤独感から愛情に飢えているとされていますが、孤独を紛らわせるためであれば、家族でなくとも友人で構わないのですが、"家族"に執着するのは、幼くして両親と別れてしまったエヴァの胚をベースとしているから、とも考えられるのではないでしょうか。

作中ではエヴリンの"家族集め"が加速しているとの記載もありますが、これに関しては私は、無暗に人を集めて感染させていたわけではない、と考えています。それはなぜかというと、ベイカー一家の日記から、エヴリンがベイカー家に加わってから感染が進むまで、それなりの時間を要していたことがわかるからです。マーガレットの日記では、耳鳴りが始まったのが10/11で、日記をつけている10/23までは少なくとも完全には感染しきっていません。つまり、エヴリンは強制的に感染を進めて、モールデッドなどを家族と呼んでいるわけではなく、あくまで自然と進んでしまう感染が存在しているということになります。これは一種のヤマアラシのジレンマ的なところといいますか、エヴリンは自身と対等な存在としての家族を求めているのに対して、エヴリンの近くにいると本人の意思に関係なく感染が進んでしまうということです。

しかしこうなると違和感があるのが、ミアの存在です。家族の体をなしていたアランも仮の父として接していたとはいえ、まだ船中では血清のようなもので感染を防いでいたとも考えられます。でもこれだけではどう考えてもミアの存在は特異です。ミアは船が座礁してベイカー家に来てからも感染がそこまで進んでおらず、また、マーガレットの日記でも"エヴリンと一緒に来た女もおかしい"と書かれています。そして、もう1点、エヴリンはアランに関してはさっさと始末してしまった割に、ミアに関しては特別お気に入りだったのです。これらの物事をひと繋ぎにしていきたいのですが、もう一つ別の話をして、各要素を証拠しつつ妄想を組み込んでストーリーとして完成させます。

別の話とは何かといいますと、バイオ8にて小ネタの1つとして扱われている、ベネヴィエント邸クリア後に手に入る、ローズの写真についてです。小ネタの内容としては、クリア前はなかった"ローズを大切にね"という文章がクリア後に見たときには裏面に追記されているというものです。考察系の動画などをご覧の方はよくご存じかと思います。タイミング的にドナが書いたとされています。(一部ではクリア前にうっすら見えていて、ほこりが取れただけとしている記事もありましたが、自分でも確認しましたが、うっすらも存在してません。多分デマです。)

さきほどは日本語で文章の内容を書きましたが、英語の文章だと、ローズに対して、"our"とついており、"私たちのローズ"と表現されています。この文字がドナが書いたことで"ドナちゃんは優しい子だったんじゃないかなー"と考えている人もいますが、もしこの文章をドナが書いて、"our Rose"としていたとしたら、かなり皮肉のきいた文章だと思いませんか? ドナからすれば、"もうお前のものではなく、ミランダ様や私たち村の人間のものになったのだから、イーサンお前はあきらめろ。これからはローズのことは私たちが丁重にもてなしてやる(まぁエヴァに生まれ変わるけどな!)"という意味になると思うのです。 ということで、私はこの文章はドナが書いたという説は賛同できません。矛盾しているように感じます。 ベネヴィエント邸に関してのネタが多くなってしまいますが、本当にこのあたりは重要で、もう1点、この説を裏付ける説を書きたいと思います。それは"ミアの録音音声"についてです。ベネヴィエント邸の攻略は、バイオ8において最恐スポットです。(本当に怖かった……。)あらゆる要素がホラーとなっていて不気味です。ただ、ミアの独白録音については、かなり違和感があるのです。プレイヤーの皆さんも、何を聞かされているのかよくわからない、と感じませんでしたか? 内容は何かミアが心配しているようなことで、おそらくローズが各部位に分割されるところに対してコメントしているのだと推測できます。これをドナによる幻聴とするならば、ホラーとしてはミアが痛みで泣き叫んでいるようなものにした方が、怖くないですか? なんで特に怖くもない音声をイーサンに聞かせたのでしょうか? 私は、これが幻聴ではなく実際の録音だったと考えています。 つまりこうです。ミアはミランダからエヴァの存在について説明を受けており、エヴリンの能力を受け継いでいることから各部位に分割しても死には至らないということの説明を受けていた。だからこそローズが切られているところも"大丈夫、だいじょうぶ"と自身に言い聞かせながら耐える(ミランダを止めにかかったりしない)ことができたのだ。そして同時に、ミランダはミアを殺さなかった。もともと解体する人形がミアの死体だったという前設定からして、写真はもともとミアがもっていたものだったが、ドナはそれを捨てることができなかった。だからミアの持っていた写真をイーサンに返すことにした。ミアは裏面にあの文章を書いていた。私はこう妄想しています。

 

さて、エヴリンとミアに関して私が言いたい説をまとめます。それは以下のようなことです。

ーエヴリンはエヴァの記憶の影響や隔離環境から、家族という存在を欲しており、寂しさを感じていた。ただし自身が接する人間は感染変異してしまうため、菌に適合する人間を探すことが必須だった。でもそれは探すことなくやってきた。母役としてやってきたミアはすでに菌への耐性を持っている適合者だった。これこそがミアがコネクションに籍を置けている所以であり、ミアもまたミランダを通じてコネクションに与するものである。ローズの解体も、ミアの合意があったうえでの共謀だった。ー

ミアについてはまだ謎が多く、各所で闇の深さについて推論が飛び交っています。私が上記のように各理由はもう1つあって、それはイーサンとの口論の場面にあります。

ローズが生まれるまえの会話で、イーサンがミアに何をそんなに心配しているんだ?と聞くところで、もう住所も変わっていて平穏な日々を送っているはずなのに、ミアは"あなたは何もわかっていない!"といいます。これは何のことかわからなかった方も多いのではないでしょうか?はっきりした回答が作中にはありません。当然なのですが、ミランダとミアが入れ替わったタイミングは、ローズが生まれた後です。(ばあちゃんからは生まれてないはず……ミランダから生まれていると家族愛のテーマが崩壊するため。) 

長くなったので、次回、【ミアの存在】に続きます。

 

 

 

 


バイオハザード 7~8(ヴィレッジ)についての話 -5-

2023-12-16 21:49:10 | バイオハザード7/8について

※以下の内容は私自身の中でストーリーをまとめることが主目的です。

※妄想の部分も多くあり、正しいといえるものがすべてではありません。また、作品自体が解釈に幅が取れるような作りになっているため、

考え方を強制するものではありません。 もしこれを読んだ人が面白そうと思っていただいて、ゲームをプレイしていただけたら、ものすごくうれしいです。

※基本的にネタバレ全開なので、プレイしてから読んでいただくことをお勧めします。 

※各記事は予告なく追記・修正します。

 

★村とミランダと四貴族【1】

さて、前回は各集落について振り返り、今の村が4人の始祖の子孫からなっていて、また菌の存在も忘れ去られているだろうというところまで書きました。そして、ここからは一気に作中の要素をつなげて、あまり世の考察で踏み込まれていないであろうところまで妄想を広げたいと思います。

(正直、これから書こうとしている"ミランダの夫"の存在を考えるにあたって、いろんな要素が相関を持っていて、どこから書いていいのかかなり迷いました。今まで4つの記事を説明の土台として書いてきましたが、少し退屈だったかもしれません。へたくそですいません。)

 

さて、ミランダの夫はいったい誰なのか? これを考えるためにミランダの生活と歴史、そして四貴族の誕生までを考えていきたいと思います。

 

ーさて、ここで突然ですが、ミランダは恐らく山羊が好きです。 いきなりなにいってんの?と思うかもしれませんが、私がこう妄想する要素をチェックしていきます。

まずは村にきて最初に会う老婆についてです。物語の中でこの老婆はミランダだということが判明します。老婆の姿になっていたのはイーサンを見張るため、とか、四貴族に渡したローズの部位を都合よく回収してくれる存在とするため、と考える人もいるようですが、少なくともこれは主目的ではありません。なぜなら、序盤のルイザの発言から、老婆は昔からこの村に存在していたと分かるからです。

イーサンをコントロールするためなら、ローズが誕生するまでに変身している必要はありませんよね。つまり、ミランダは何か別の目的があって老婆に化けていたということになります。ではその目的は何なのでしょうか? 村人がみなミランダ様ミランダ様と崇めており、ミランダがある種の宗教の神になっているのに対して、老婆はその教祖的な立ち位置となっています。ミランダが老婆となって村人を扇動する理由は何なのでしょうか?

 

物語の中でミランダはもともと医者だということが書かれています。普通に医者として働いており、村の人々を救っていて、きっと慕われていたのでしょう。ミランダ自身も村が好きで、とても暖かい環境で育っていたのだと思います。ところで、この村の中で、診療所ってどこでしたでしょうか? これは2ステージ目であるベネヴィエント邸の地下環境が該当しますね。医療器具や手術台、医療関係の書斎など、まず間違いないでしょう。さらに、事前の情報ではもともとベネヴィエント邸は診療所、というのは公式の設定見解です。ということで、ミランダがこの場所に住んでいたのは間違いないでしょう。

ベネヴィエント邸1~2Fは住居スペースなので、ミランダは診療所兼自宅としてこの建物を使っていて、普通に暮らしていましたが、夫となる男と出会い、結婚しました。 ペットに山羊なんか飼っちゃったりして。(作中にミランダに山羊を献上するメモ書きがありますが、黒山羊・白山羊がいる場所は、ベネヴィエント邸の小屋付近です。)    そしてエヴァが生まれます。 エヴァのおもちゃとして好きな山羊の工芸品なんかも生産スタートしちゃいました。(魔除けの山羊は村を守るものなので、壊すとミランダ様の罰が下る!と、老婆=ミランダ自身が言っています。つまり、こんなただの工芸品ですが、ミランダは1つでも壊してほしくないということになります。きっと思い出の品なんでしょう。)

村人もミランダのことを慕っていて、そんな工芸品を買ってはいろんなところに飾っていたので、各場所に散らばっているのでしょう。

そんな中、世の中ではスペイン風邪が流行。エヴァもその犠牲になってしまいます。あとは作中で語られている通り、ミランダは死に場所を探していたところ、菌の存在に触れ、村の過去についての知識を得ます。そしてローズの器を作るための実験を進めるのですが、ミランダは作中ではひたすら村人にカドゥを植え付けて試していたように見えましたが、最終的にはローズの体をバラバラにして四貴族に渡します。ローズが器として適合していて、今までと同じやり方をするのであれば、こんな回りくどいやり方をしなくても、直接カドゥを植え付けてしまえばいいのです。でもそうはしなかった。つまりこれは必要な儀式で、その儀式をアンブレラマークの遺跡がある場所で行う必要があることを知っていたことになります。絵本では少女が始祖から4つのものを受け取ってから鏡に閉じ込められていますが、この各始祖から何かを分け与えてもらったうえで儀式をすること=次の世代の魔女を生み出す儀式になっている、ということを菌根の記憶から得ていたと考えてよいでしょう。そしてその与えられた"何か"とは、簡単なのは血だと思います。 

つまり何が言いたいかといいますと、最終的な儀式を行うために、まずは始祖の血を引く人間を村から探し出す作業、がまずミランダが目標にしていたことだろう、ということです。この始祖の子孫探しの中で、ドミトレスク・ドナ・モロー・ハイゼンベルグを見つけたのでしょう。

ここで問題になるのは、村人をそんな無茶苦茶に実験台に使っていいのか?というところ。ミランダのメモでは村人の意識を操作し、人体実験を行うのに都合がいいようにした、と書いていますが、まずカドゥを植え付けるところがハードルですよね。ミランダは医者です。診察に来た人間に治療薬と偽ってカドゥを植え付けるのは容易でしょう。ただこれで患者がどんどん発狂していては、村人はミランダを疑うでしょう。ここでミランダが医者として実験を行い続けるためにしたこと、それこそが"ミランダ教の発足"と思われます。つまり、"ミランダ様が村を守ってくれる!!"という思想を村人に植え付ける必要があったのです。ただミランダ自身が"私が神です!”といってもきっと聞いてくれませんよね。そこでミランダが考えたのが、”老婆に変身する”ことです。老婆を教祖としてミランダ教の信者を増やし、実験をスムーズにしていったと考えられます。
"ちなみにエンディングのスタッフロールで、鳥のマスクをしたマントの人間が病気の少女に注射をし、同様に両親にも治療をしたところ、両親のみ発症した様子が描かれています。この場面の直前でカドゥの絵がありますから、マントの人間は間違いなくミランダです。この少女は菌に適合したのでしょうが、彼女は今どうしているのでしょうね……?

 

さて実験は進み、適合率の高かった人間を四貴族として設定し、手分けして実験を進めていたと考えられます。ちなみにですが、ドミトレスクは村の外の人間との記述がありますが、こうもりの集落は、おそらく少し離れたところに集落があるのだと思われます。またモローが極端に四貴族の中で適合率が低そうに見えたのは、前回述べた通り、漁村の人間がほとんどいなくなり、他の始祖の子孫との交わりが多かったため、純血の存在がいなかったのだと思われます。ハイゼンベルグは、まぁ工業地帯から見つかったのでしょうね。

さて、ここで一つ気になることがありますね。考察記事ではしばしば注目される、ドナが本当の四貴族なのか?という問題ですが、

次回に続きます。→村とミランダと四貴族について【2】