結膜や眼瞼への良好な移行性・滞留性を認める
結膜炎は
眼球を覆う結膜(まぶたと眼球の間の薄い膜)、
眼瞼炎は
眼瞼(まぶた)に
生じる炎症で、
細菌性のものには抗菌薬で治療を行います。
今までは
抗菌スペクトルが広く、
眼内移行性も比較的高い
キノロン系抗菌点眼薬がよく使われてきました。
しかし、
キノロン系を使い続けることによる
耐性化が懸念されていました。
アジスロマイシン水和物点眼液は、
国内唯一のマクロライド系抗菌点眼薬として
登場しました。
作用機序
細菌の70Sリボソームの50Sサブユニットと結合し
細菌のタンパク合成を阻害し
バイオフィルムが作られるのを抑制することで
抗菌作用を発揮します。
添加物
両親媒性の合成高分子化合物ポリカルボフィルが
配合されたDDS(ドラッグデリバリーシステム)製剤。
➡︎結膜、角膜、眼瞼への移行性が良く、
滞留性も良好✨※ウサギでの実験で
効能・効果
<適応菌種>
アジスロマイシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、コリネバクテリウム属、インフルエンザ菌、アクネ菌
<適応症>
・結膜炎
・眼瞼炎、麦粒腫、涙嚢炎
用法・用量
<結膜炎>
通常、成人および7歳以上の小児には、
1回1滴、1日2回2日間、
その後、1日1回5日間点眼する。
<眼瞼炎、麦粒腫、涙嚢炎>
通常、成人には、
1回1滴、1日2回2日間、
その後、1日1回12日間点眼する。
最初の2日間を過ぎた後は、
既存薬に比べて少ない点眼回数で治療可能
使用上の注意、副作用
本剤は粘性がやや高いため、普通の点眼液に比べたら点眼しにくさがあります。
そのため、添付文書にも
「キャップをしたまま点眼容器を下に向け、
数回振ってからキャップを開けて点眼すること」
と書かれているの。
主な副作用としては
眼刺激や眼掻痒症(頻度1~5%未満)、
重大な副作用としては
角膜潰瘍などの角膜障害、
ショックやアナフィラキシー(頻度不明)が
報告されています。
ショックやアナフィラキシーの徴候である紅斑、発疹、呼吸困難、血圧低下、眼瞼浮腫などにも注意しておきましょう。
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