政務活動費を活用して、以下のような研修を受けましたのでご報告します。
ここ数年、コロナ禍で議員研修がうけられない状態が続きました。
今回はzoomによる全国地方議員社会保障研修会があると聞いて受けました。
2022年度 大阪社保協主催
「全国地方議員社会保障研修会」 報告書 江川慶子
今回の全国地方議員社会保障研修会は、zoomと、会場である大阪府保険医協同組合のM&Dホールで行われました。私は、都合がつかない時間帯もありましたので、録画で視聴でき、何度もみられるのでzoomで研修に参加しました。内容は下記の通りです。
各講座日程と内容
①11月14日(月)10時~13時
介護保険の基本的問題と自治体での課題
講師 日下部雅喜先生
(大阪社保協介護保険対策委員長・ケアマネジャー・佛教大学非常勤講師)
通院のため、録画で視聴しました。
①介護保険22年 「介護の危機」 ②2024年度見直しで狙われてる改悪内容 ③「介護の危機」打開と介護保障をめざす運動への課題 ④介護保険財政と保険料 についてお話をききました。2022年 介護心中・介護殺人→年間50~70件 介護退職→年間9万人から14万人 介護貧困・介護破産→多大な自己負担 介護難民→特養だけでなく在宅でも 介護崩壊→介護職員有効求人倍率3.90倍、ヘルパー14.92倍 でなり手不足が深刻であること。 介護保険料は年金暮らし高齢者の負担の限界に来ている。これら全体をみると、介護保険制度は危機的な状態であることを認識しました。
また2024年度の見直しで狙われる改悪の内容は、①利用者負担引き上げ(原則2割化、2・3割の対象拡大)②ケアマネジメントに利用者負担導入 ③要介護1,2のヘルパー・ディサービス等の総合事業移行 ④福祉用具をレンタルから購入へ ⑤ICT・ロボット等活用で人員配置基準の切り下げの導入が検討されていること。
介護危機の打開の運動課題は、①介護従事者の賃金水準を全産業平均水準まで全額国庫負担で引き上げる事。これは新型コロナ危機で浮き彫りになった介護現場の深刻な実態を解決し、介護崩壊の危機を打開するために必要である。②高齢者の負担の限界を超えて上昇し続ける介護保険料を公費投入により引き下げること。
介護する人・受ける人がともに大切にされる制度へすることが強くもとめられていて、議会での役割が重要だと認識しました。
②11月14日(月)14時~17時
社会保障としての住宅政策~自治体先進例に学ぶ
講師 葛西 リサ先生 (追手門学院大学准教授)
議員控室にて来客のため、後日録画で研修を受けました。
社会保障としての住宅政策について、1,平時の母子世帯の居住貧困の実態について。2,コロナ禍の母子世帯の居住問題について 3,民間による居住支援の実態について。非血縁でともに暮らす、シェアハウスの事例紹介についてお話しがありました。
前提としてそもそも住宅に困る状況であること。住宅が安定していることが仕事や生活にかけがえのないものであることがお話しの中でよくわかりました。住宅が安心してあることがどんなに心にゆとりを持たせ地域とのつながりをもって生活できるかよくわかりました。そのためにも収入の35パーセントを超える家賃などの負担を軽減することが、ひとり親家庭などの支援になることが実態を通した具体的なお話しを通して理解しました。またシェアハウスや複合施設など民間や行政で取り組んでいるところの紹介もあり、興味深く、ただ住宅だけの問題ではなく、生活支援などフォローも大事だと思いました。
まずは「住宅確保給付金」が熊取町でどのように活用されているか確認したいと思います。
③11月15日(火)10時~17時
労働・生活の視点から考えるジェンダー平等の現状と課題
講師 蓑輪 明子先生(名城大学准教授)
議員団会議のため後日、録画を視聴して研修を受けました。
1,コロナ禍で起きた女性労働の問題。家庭で何がおこっていたか 大変なことが起きている
災害的な被害というより人員的な被害が起こっている現状。
・雇用変動で大きな変化があったのは女性と非正規に多い。女性26.3%
男性18・3% 非正規33% 正規16.7%
・休業手当未払いは女性25.6% 男性17.6% 非正規男性 32.7%
非正規女性32.4%
・休業による雇止め 保障なしでシフトカット
・コロナだから仕方ないのではなく、政府がいろんな支援を作っている。しかし非正規が排除されている。誰が対象になるのかは正規であり非正規にあたらない。
2,女性労働の現状 働く人々の状況と生活状況 なぜおこるのか
・ケアと労働の両立困難 急な学校等施設の休校、子のコロナ感染時の対応・親の休暇・賃金保障のあいまい。子どもの休校等を理由を離職全体の3% 年休で取得 正規28.9% 非正規9.7% 無給 正規7・9% 非正規45.2% 学校休業等対応助成金は事業主の胸三寸の状況。
申請しづらく疲れてしまう。
ドイツは家族ケアの優先原則がある(ドイツ民法275条3項および616条) 学校休校等による休校による所得補償(感染予防法56条1a項)。
日本は政策として法的なものはなし。 社会保障による所得補償からの排除
暴力・自殺による被害 2010年代以降、減少してきたが女性の自殺が増えてきた
特に10代、20代が増加。雇用者、学生、生徒、無職。動機は健康問題、家庭問題、経済問題、男女問題が像 DVの増加 暴力相談は2022年83042件と過去最多。
コロナ禍はもともとある問題を顕在化させただけであること。
3,どう変えていくのか、その時自治体で何ができるのか?
①職種別最低賃金も含む公契約条例での公共部門労働者の底上げ。
②社会保障と住民をむすびつけるしくみづくり
債権管理条例(税金滞納をきっかけに社会保障や各種支援に結びつける)
③ケアと就労可能なしくみづくりを。
保育士配置加配制度、働く保護者を支える取り組み等。国への要望をしつつ、自治体での加配制度の政策など重視する必要がある。
④11月15日(火)14時~17時
いま学校で起きていることと自治体の課題
講師 平井美津子先生(公立中学校教諭)
zoomで研修を受けました。
戦後の日本での原爆孤児の状況を通して、子ども達に無関心ではいけない、国の状態を示す本物の目安とは、その国が子ども達に対してどれほどの関心を払ってるいるかである。
実体験をとおして、生きづらさに向き合うこどもについてお話しがありました。特にわたしが印象にのこったのは、クラブの練習試合に参加できなかった理由は、交通費だった事など就学援助ではフォローできないことが現場ででていること。学校や教師が嫌いな母親、ネグレクトされている子ども達、母親もたすけてほしい状態であることなどなど。
子どもが子どもとして守られるために、
1,日本国憲法を守ること
2,子どもの権利条約を生かした社会
3,子どもを育てている保護者に手厚く
4,自己責任を問わないこと
だから少人数学級が大事であること。
1.感染症の不安←ゆとりある学校環境 三密を避ける
2,学びの格差拡大←手厚い教育 ゆっくり柔軟につまづきを解決
3,ストレスを抱える子←理解とケア 落ち着いた雰囲気で、親身になって寄り添う
4,多様な個性←インクルーシブ教育の実現 様々な教育ニーズに応え、発達成長を保障
5,管理的指導、一斉授業←こども主体の学び 対話や体験等をとおした学びをつくる など新しい可能性があること。そして地方議員へのお願いとしていくつか指摘がありました。
⑤11月16日(水)10時~13時
コロナ禍で浮き彫りになった若者の貧困~自治体政策として何が必要か
講師 今井 紀明先生(認定NPO法人D×P理事長)
Zoomで研修を受けました。
認定NPO法人D×P理事長の今井紀明さんよりお話をおききしました。
NPOを立ち上げ、スタッフ28名 ボランティア830名 月額寄付者数2622名を大きなNPOで、これまでかかわった10代は9335名 ライン登録者7873名 相談者3532名 スポンサー企業や個人が集まって経営をサポートしているとのことです。 ひとり一人の若ものが自分の未来に希望を持てる社会にと、まず10代については、不登校、中退、家庭内不和、経済的困難・いじめ・虐待・進路未定・無業などによっていくつかの安心できる場や所属先を失ったときに孤立が生まれる。LINE「ユキサキチャット」を窓口に若者から進路・就職相談を行い様々な生きづらさを抱える若者たちの声を聞いて必要なサポートしてる事例をききました。保護者に頼れない若者に、現金給付と食糧支援、ユキサキ支援パックなど。フードバンクやこども食堂のような一過性のものでない自立への支援として、民間でしかもボランティアの力で行われている事業でした。
⑥11月16日(水)14時~17時
何が女性・シングルマザーを貧困にするのか~
リアルな生活と具体的な支援について考える~
講師 寺内順子先生+シンママ大阪応援団の3人のママさん
Zoomで研修を受けました。
まず初めに、寺内順子さんの紹介がありました。大阪社保協の事務局長でありシンママ大阪応援団を立ち上げまでの経過や活動の紹介がありました。また3人のママさんのお話しは、この議員研修会で聴いてきた状況の中、シングルママがどんな状況でやってきていたか、生の声できかせて頂き、どうにかしなくてはいけないという思いでいっぱいになりました。
もっともっと、住民のみなさんの声を聞いて活動しなければと気持ちが引き締まった研修会となりました。
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