雅子様と紀子様がご成婚で着用したローブ・デコルテは西陣織の生地で作られた。
ご成婚で着用するローブ・デコルテは一般の結納にあたる納采の儀で贈られる生地で作られる。
その生地を織ったのは、西陣織の龍村美術織物。
洋装のドレスだからといって全てが洋式という事ではないのだ。
オランダ即位式で雅子様が着用されたドレスは、蔦のような織柄が見える。
蔦の織柄は蔦の生命力の強さから「長寿」や「繁栄」を意味する縁起の良い柄。
そこで西陣織では蔦柄の生地がよく織られる。
雅子様のドレス、ローブ・モンタントが西陣織の生地で作られたとしてもおかしくない。
イギリスの戴冠式で紀子様が着物を着用した事について、
日本の着物文化を世界の多くの人に見てもらえて良かった
という感想を述べる人達が多かった。
だが、
日本の着物文化を世界に広める・・・という事であれば、即位式で着用された束帯と十二単の方が格が高く日本独特の文化をよく示していた。
しかも豪華でインパクトがある。
着物の需要を増やしたいという事であれば、
ドレスに着物の技巧や生地を取り入れた方が効果的である。
日本人ですら着なくなった着物を外国人が着る事はないだろう。
紀子様の着物は上品なものであったが、外国人には好まれない色柄であった。
また、外国の景色とも馴染まない。
美智子様はドレスに日本のぼかしの技巧をよく取り入れていらした。
洋装や小物に着物の技巧や生地を取り入れ世界にアピールした方が、着物業界の存続に貢献出来るのではないか。



