神の国のぬくもりは、神々を迎え、共に舞い遊ぶ夜神楽の里にあります。
日本神話の舞台として知られる高千穂町には、天照大御神(あまてらすおおみかみ)の岩?戸隠れや天孫降臨など、数々の伝説が息づきます。この神話のふるさとで、古くから神々?に奉納されてきたのが、国の重要無形民俗文化財にも指定されている「高千穂の夜神楽(?よかぐら)」です。
夜を徹して奉納される三十三番の神楽には、天孫降臨の先導役を務めた猿田彦命(さるた?ひこのみこと)の厳かな一人舞「彦舞」や、天岩戸にお隠れになった天照大御神の出現を?祈る天鈿女命(あめのうずめのみこと)の優美な舞「鈿女(うずめ)」、柴に乗り、神遊?びをして興じる瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の力強い舞「御柴(おんしば)」などがあり?、神話のなかの神々が総出演します。里の人々は、神楽の舞手、設え、警護、賄いなどの?役割を分担し、神々と一体となるこの神遊びを継承してきました。
紙吹雪の舞う美しいフィナーレで幕を閉じる一夜の神事は、神の国ならではの"?;もてなしの心"、ぬくもり、そして、生きる力と喜びを今に伝えています。