日向灘に面する港町・美々津(みみつ)は、江戸時代に高鍋藩の商業港として栄えた町で?、意匠を凝らした町屋が軒を連ねる昔ながらの美しい景観で知られています。
この地は、日本の初代天皇・神武天皇の東征出発の地としても有名です。伝説によれば、?成人したカムヤマトイハレヒコノミコト(後の神武天皇)は、現在の宮崎神宮(神武天皇?を祭神として祀る)のあたりを拠点としていました。しかし、この地は国を治めるには西?にあり過ぎました。神武天皇は45歳にして東にある大和の国を目指すことを決意します?。その船出の地に選ばれたのが美々津でした。船出は風の都合で急遽早朝に変更となりま?した。里人が大急ぎで作ったといわれる「お船出だんご」や、里人が見送りやお供のため?に寝ている人を起こして回ったことに由来する「おきよ祭り」が今も伝えられています。
命を賭してよりよい国造りを志した神武天皇と、その志を支えた里人たち――。平和で正?しい国を造ろうというぶれない信念と覚悟は、2600年あまりの時を経て、現代を生き?る私たちの心を熱くします。