移動ユーザプロファイルやフォルダリダイレクトを利用する環境でChromeを利用する際に
必要となりそうな設定をまとめました。
移動ユーザプロファイルやフォルダリダイレクトを伴うVDI環境でChromeを利用する場合、必要と思われる設定が
いくつかあります。
Chromeは、Googleよりグループポリシーのテンプレートが公開されているのでそれを利用すると設定しやすいのですが、
Active Directoryへテンプレートの導入が制限されている環境ではレジストリでの設定が必要になります。
なんとなく設定しておいたほうがいい項目をまとめてみました。
1.ディスクキャッシュサイズ
初期設定ではどれだけのサイズが設定されているのかよくわからないのですが、次のポリシーを設定します。
「デスクサイズをバイト単位で設定する」
このポリシーにバイト単位で設定します。個人的に20MB程度あればいいかなと思い、20971520を設定
しています。
2.ディスクキャッシュのディレクトリ
初期設定では、移動ユーザプロファイル領域(Roaming)に保存されます。このままだとログオン、ログオフに
恐ろしい事が起こりそうで不安です。
そんなときは「ディスクのキャッシュディレクトリの設定」を利用します。
いくつか変数が利用でいるのですが、AppData\Localに保存したい場合は次のように設定します。
${local_app_data}\Google\Chrome
${local_app_data}は、%LOCALAPPDATA%と同じ値となり、AppData\Localを指します。
利用できる変数は、https://www.chromium.org/administrators/policy-list-3/user-data-directory-variables で
公開されています。
3.ユーザデータディレクトリ
移動ユーザプロファイル領域内にユーザデータが保存されるのですが、ファイル数が多いことと、サイズが大きくなることから、
そのままでは恐ろしいことが起こりそうで不安です。
そんなときは「ユーザデータディレクトリを設定する」を利用します。
こちらもいくつかの変数が利用できるのでリダイレクト先にも対応できます。
\\サーバ名\共有名\${user_name}\Google\Chrome\UserData
${user_name}は、ログインしているユーザ名に置き換えられます。
ダウンロードディレクトリもポリシーが用意されており、リダイレクト先のダウンロードフォルダを指定することも
できます。
ポリシーが利用できない場合はレジストリを直接変更することになるのですが、先程設定したポリシーの
レジストリは次のレジストリです。
◆ディスクキャッシュサイズ
キー:HKCU\SOFTWARE\Policies\Google\Chrome
名前:DiskCacheSize
種類:REG_DWORD
◆ディスクキャッシュディレクトリ
キー:HKCU\SOFTWARE\Policies\Google\Chrome
名前:DiskCacheDir
種類:REG_SZ
◆ユーザデータディレクトリ
キー:HKCU\SOFTWARE\Policies\Google\Chrome
名前:UserDataDir
種類:REG_SZ
◆ダウンロードディレクトリ
キー:HKCU\SOFTWARE\Policies\Google\Chrome
名前:DownloadDirectory
種類:REG_SZ
Chromeは、IEで設定されているProxyや、システムのProxy(netsh winhttp show proxyで確認)を
参照しています。
これを変更するにはポリシーで設定するかレジストリでProxyModeとProxyServerの値を設定します。
ポリシーで設定した値を利用するには、ProxyModeにfixed_serversを設定します。
◆Proxyモード
キー:HKCU\SOFTWARE\Policies\Google\Chrome
名前:ProxyMode
種類:REG_SZ
値:fixed_servers
◆Proxyサーバ
キー:HKCU\SOFTWARE\Policies\Google\Chrome
名前:ProxyServer
種類:REG_SZ
Chromeもバージョンが上がり、色々とポリシーで設定できるのでVDI環境で利用しやすくなりました。
Firefoxも人気のブラウザですが、Mozillaが提供しているテンプレートはなく、アドインを組み込んで
フリーで公開されているテンプレートを使うことになります。
それ以外の方法で対応するには、Thunderbirdで対応したのと同じ歩法での対応が必要になります。