エナゴの学術メモ

200万人を超える研究者の学術出版をお手伝いしてきた編集部がお役に立てる情報を配信してまいります。

めざせ、査読突破!(アブストラクト編)

2022-04-15 13:36:59 | 英文校正Tips♪

査読突破への長い道のり。

投稿された論文の顔となるのが、アブストラクト

学術ジャーナルの中には、アブストラクトのみを見て査読へ進めるかどうかを決める編集部もあり、第一関門となる学術ジャーナルの編集スタッフ(編集委員)を納得させなくてはいけません。そのため、アブストラクトで発見・結論を端的に示す必要があります。

 

アブストラクトに何を書くか

アブストラクトは、書くのを最後まで取っておかず、執筆の早い段階でおおまかに書いてみると、全体の構成を俯瞰するのに役立ちます。論文を書き終えた時点で、目標とするジャーナルの投稿規定を確認し、アブストラクトについての文字数制限、フォーマット、スタイルに合わせます。

アブストラクトには、以下の問いへの回答をします:

  • なぜこの研究を実施したのか
  • 研究の具体的な課題、用いた手法は何か
  • どのような発見があったか
  • その発見はなぜ価値があるのか

 

5つのポイント

次の5つのポイントにも気を付けて書きましょう:

  1. 正確かつ明瞭簡潔に全文を表しているか
  2. 唐突な略語や耳慣れない専門用語はないか
  3. 引用は原則的にはしない(例外あり)
  4. キーワードをなるべくたくさん使用すること
  5. 本文を読まずにアブストラクトの内容が理解できるか

↓↓書き方のご参考に↓↓

10 Good Abstract Examples That Will Kickstart Your Brain (kibin.com)

 

ジャーナルに合わせて修正

ジャーナルごとに読者層に合わせた規定が細かく存在するので、必ず以下のことも確認します

  • アブストラクトのスタイル(論文の種類によって違う場合があるので注意)
  • 結果の述べ方(データや統計も併せて示して)
  • 文法的なルール(動詞は能動態・受動態の両方が認められているか、時制の指定など)
  • 専門的な用語の有無(避けるべきか、投稿時には含んだバージョンを提出し、専門用語を使わないバージョンを別途準備する場合もあり)

 

エナゴアカデミーはみなさんの査読突破を応援しています!

やっぱり、プロに目を通してもらってから投稿したいという方はこちらから。

 

そもそも英文校正って?

2022-04-13 15:36:15 | 英文校正Tips♪

「英文校正」

…日々、英語論文と格闘する研究者の皆さんには身近な言葉ですが、一般的には、「英文校正」ってそもそも…?という方も少なくないかもしれません。

  • 校正って何をチェックすべきか?
  • 投稿する先の「引用スタイルに準じて文書を整える」ってどういう意味??
  • プロに頼まなくても、自力でフォーマットやスペルチェックさえやっておけば大丈夫なのでは?

など「英文校正」にまつわる疑問について、少しお答えします。

 

英文校正とは何をするものか?

言語の校正とは、書かれた文章を精査し、技術的にも正確かつ、分かりやすい文章になっているかを確認するプロセスです。良い英文校正を行うには、スペルや文法、句読点の使い方なども含めた英文ライティングの基礎を理解しておく必要があります。

最近では、trinkaなどの便利なツールでAIが文法チェックをしてくれるので、凡ミスはすぐチェックできます。ぜひ、ご活用を。

英文校正ツールTrinka|英語論文校正に最適なAI搭載の英文校正ソフト

上記のAI校正は、優れもので、ターゲットの国や文章のトーンも設定できます!

アメリカ英語とイギリス英語ではスペルが異なることはよく知られていますが、他にも文法上のさまざまな違いがあります。そのため、読ませる対象が誰なのか、読み手がどこにいるのかによって、英文校正には違いが出てくるのです。

 

どこから手を付ければよいのか?

いざ英文校正を始めようとしても、ハードルが高すぎて、何から始めればよいのか分からなくなります。着手する前にチェックすべきポイントを抑えれば、作業を進める際の指針となるでしょう。英文校正を行う場合は、以下の項目に注目してください。

  • 引用スタイル:アメリカ心理学会出版マニュアル(APA)、シカゴ・マニュアル・オブ・スタイル (CMOS)、米国現代語学文学協会(MLA)
  • 対象読者(論文の読者は誰か)
  • 論文を執筆する際の英語の種類(イギリス英語かアメリカ英語か)

引用スタイルとは、引用する際の書き方を指定しているだけでなく、見出しや参考文献の書き方句読点や大文字・小文字などの使い方を定めたものです。

(例)シカゴスタイルでは、ピリオドとコンマは引用符の内側(”like this,”)、セミコロンとコロンは引用符の外(“like this”:)。これに対してAPAでは、コンマ、ピリオド、コロン、セミコロンは引用符の内側に入れるように指示しています。

(例2)イギリス英語では、「‘」シングルクォーテーションマーク(一重引用符)、アメリカ英語では「“」ダブルクォーテーションマーク(二重引用符)が主流。

 

効率的な英文校正をするための8つのステップ

英文校正で最重要ポイントといって過言ではないのが一貫性を保つことです。文章の校正を行う際、スタイルの一貫性、正確性、さらに適切な書式を保つための作業の流れを以下に簡単に示します。

  1. まず、文書がどこの国に向けて書かれたものかを確認。
  2. AIツールでスペルチェック。
  3. 全体に目を通し、見出しや小見出しの形式を見て、必要に応じて太字にする、イタリックにする、番号を付ける・取るといった修正を行います。
  4. 繰り返し出てくる言い回し、受動態、動詞の時制の使い方(過去形、過去完了形など)に不適切な点がないかを確認していきます。受動態の文はできるだけ能動態に書き換え、長すぎる文章は短い文章に分割します。
  5. 文章が技巧的に正しいかをチェック。
    • コンマスプライス(接続詞を使わずにコンマのみで文書をつなぐこと)
    • コロンやセミコロン、
    • 複数形が正しく使われているかを確認します。
  6. 注意深く読み直し、スペルチェックでは拾い出せないタイプミスやスペルミスを確認します。
  7. 「検索」と「置換」の機能を使って、句読点や単語、大文字・小文字などの統一・修正を行います。
  8. 全体の最終確認を行い、初回チェックで見逃したかもしれないミスがないかをセクション(章)ごとに行う。

英語が得意で時間が十分ある方だと、プロに頼む必要ってどこまであるの??という疑問も湧いてきます。確かに、文法ミスや体裁はある程度自分でチェックできます!ただ、ネイティブでない日本人にとって「目から鱗」な表現や語彙はまだまだあるのも事実。一度プロの修正に投げてみると納得の違いがあるかもしれません。英文校正サービスを提供している翻訳会社がいくつかあります。(…宣伝)

エナゴでは、校正に加えて、無料でカバーレターの作成や単語数削減のサービスなどもあり、便利。

研究者さんの研究成果がもっともっと世界に認知されて、評価されることを日々願い、応援しています!