先日エナゴアカデミーで無料視聴できるウェビナー、「英語での論文執筆をマスターする」で講師の田口善弘教授がおっしゃった言葉が印象的でした。
「出版されない研究は存在しないのと同じ」
非英語圏の研究者にとって、いくら不公平であっても、主要なジャーナル誌は全て英語で書かれ、そもそもの引用データベースも英語で書かれた論文しか記録されないという事実。残された道は、英語で論文執筆することの一択です。どうせマスターしなきゃいけないなら、効率よく学びたいものです。
41:00 以降の文法解説も、後日改めて詳細をご紹介したいと思いますが、今日は、田口教授が話された部分から「なるほど!」というポイントをピックアップしてお伝えします。
アブストはミニ本文
アブストラクト(要旨)は本文のミニ版を書くイメージで。略語、専門用語を避けて。他の物を見ながら読まなくてはいけないようだと、考えが停まってしまう。
イントロダクションは欠けを書け
イントロダクションは先行研究の現状を書き、その現状に○○が欠けているので、本研究で明らかにする、とう流れで書くとスッキリ書ける。
ディスカッションで何を述べるのか
ディスカッションに何を書けばいいか、またリザルト(結果)との違いは?結果を見てどういうことが言えるか、また、予想外の結果については、論理的な解釈を述べる部分がディスカッションです。
単数・複数の落とし穴
例)A can of beans sits on the shelf.
A canの後ろのbeansに引っ張られて動詞をsitと間違いがちですが、主語と動詞の間の語句(beans)は、主語の数を変更しません。要注意。
例2)A pencil and an eraser make writing easy.
上記の場合はpencilとeraserセットで複数と考えるのでmakeはsがつきません。
接続語のバリエーションを持つべし
コントラストを強調する語…In contrast, Yet, Nevertheless, Although, However, On the contrary, While, Despiteなど
原因を示す語…For, Because, Since, Asなど
似たデータを比較する語…Similarly, Likewise, Both A and Bなど
結果を示す語…As a result, As a consequenceなど
その他にも役立つTipsが満載でした!
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~上記ウェビナー講師のご紹介~
田口善弘 教授(中央大学理工学部物理学科)
1961年東京生まれ。1988年東京工業大学大学院理工学研究科修士課程修了。理学博士。2006年より現職。専門はバイオインフォマティクスおよび非線形物理学。30年以上の研究を通じて100を超える論文を発表。また過去5年間だけでも『BMC Medical Genomics』『Medicine (Lippincott Williams & Wilkins journal)』『PLoS ONE』『IPSJ Transactions on Bioinformatics』など50以上の国際ジャーナルにおいて査読を担当。バイオインフォマティクスの国際学会「InCob」では、2014年と2017年に最優秀論文賞、 2018年には最優秀口頭発表賞を受賞するなど数多くの受賞歴を持つ。著作も多数あり、『砂時計の七不思議』では第12回講談社出版文化賞科学出版賞を受賞。