「英文校正」
…日々、英語論文と格闘する研究者の皆さんには身近な言葉ですが、一般的には、「英文校正」ってそもそも…?という方も少なくないかもしれません。
- 校正って何をチェックすべきか?
- 投稿する先の「引用スタイルに準じて文書を整える」ってどういう意味??
- プロに頼まなくても、自力でフォーマットやスペルチェックさえやっておけば大丈夫なのでは?
など「英文校正」にまつわる疑問について、少しお答えします。
英文校正とは何をするものか?
言語の校正とは、書かれた文章を精査し、技術的にも正確かつ、分かりやすい文章になっているかを確認するプロセスです。良い英文校正を行うには、スペルや文法、句読点の使い方なども含めた英文ライティングの基礎を理解しておく必要があります。
最近では、trinkaなどの便利なツールでAIが文法チェックをしてくれるので、凡ミスはすぐチェックできます。ぜひ、ご活用を。
英文校正ツールTrinka|英語論文校正に最適なAI搭載の英文校正ソフト
上記のAI校正は、優れもので、ターゲットの国や文章のトーンも設定できます!
アメリカ英語とイギリス英語ではスペルが異なることはよく知られていますが、他にも文法上のさまざまな違いがあります。そのため、読ませる対象が誰なのか、読み手がどこにいるのかによって、英文校正には違いが出てくるのです。
どこから手を付ければよいのか?
いざ英文校正を始めようとしても、ハードルが高すぎて、何から始めればよいのか分からなくなります。着手する前にチェックすべきポイントを抑えれば、作業を進める際の指針となるでしょう。英文校正を行う場合は、以下の項目に注目してください。
- 引用スタイル:アメリカ心理学会出版マニュアル(APA)、シカゴ・マニュアル・オブ・スタイル (CMOS)、米国現代語学文学協会(MLA)
- 対象読者(論文の読者は誰か)
- 論文を執筆する際の英語の種類(イギリス英語かアメリカ英語か)
引用スタイルとは、引用する際の書き方を指定しているだけでなく、見出しや参考文献の書き方、句読点や大文字・小文字などの使い方を定めたものです。
(例)シカゴスタイルでは、ピリオドとコンマは引用符の内側(”like this,”)、セミコロンとコロンは引用符の外(“like this”:)。これに対してAPAでは、コンマ、ピリオド、コロン、セミコロンは引用符の内側に入れるように指示しています。
(例2)イギリス英語では、「‘」シングルクォーテーションマーク(一重引用符)、アメリカ英語では「“」ダブルクォーテーションマーク(二重引用符)が主流。
効率的な英文校正をするための8つのステップ
英文校正で最重要ポイントといって過言ではないのが一貫性を保つことです。文章の校正を行う際、スタイルの一貫性、正確性、さらに適切な書式を保つための作業の流れを以下に簡単に示します。
- まず、文書がどこの国に向けて書かれたものかを確認。
- AIツールでスペルチェック。
- 全体に目を通し、見出しや小見出しの形式を見て、必要に応じて太字にする、イタリックにする、番号を付ける・取るといった修正を行います。
- 繰り返し出てくる言い回し、受動態、動詞の時制の使い方(過去形、過去完了形など)に不適切な点がないかを確認していきます。受動態の文はできるだけ能動態に書き換え、長すぎる文章は短い文章に分割します。
- 文章が技巧的に正しいかをチェック。
- コンマスプライス(接続詞を使わずにコンマのみで文書をつなぐこと)
- コロンやセミコロン、
- 複数形が正しく使われているかを確認します。
- 注意深く読み直し、スペルチェックでは拾い出せないタイプミスやスペルミスを確認します。
- 「検索」と「置換」の機能を使って、句読点や単語、大文字・小文字などの統一・修正を行います。
- 全体の最終確認を行い、初回チェックで見逃したかもしれないミスがないかをセクション(章)ごとに行う。
英語が得意で時間が十分ある方だと、プロに頼む必要ってどこまであるの??という疑問も湧いてきます。確かに、文法ミスや体裁はある程度自分でチェックできます!ただ、ネイティブでない日本人にとって「目から鱗」な表現や語彙はまだまだあるのも事実。一度プロの修正に投げてみると納得の違いがあるかもしれません。英文校正サービスを提供している翻訳会社がいくつかあります。(…宣伝)
エナゴでは、校正に加えて、無料でカバーレターの作成や単語数削減のサービスなどもあり、便利。
研究者さんの研究成果がもっともっと世界に認知されて、評価されることを日々願い、応援しています!