演劇集団大河の座付カメラマン兼小間使いのPです。
終演後、ロビーで耳を澄ましていると、公演に満足してお帰りになるお客さんから「ああ、劇の中の挿入歌が頭の中をぐるぐる繰り返し回っている感じ!」という声が聞こえてきました。
かくいう私もその一人。劇中歌は4つありますが、井戸端のおしゃべりから展開が一気にサスペンス化していく時に歌われるのは『馬は口きく 人はだんまリ』です。
歌詞は脚本家の篠原久美子さんによるもので韻を踏んでいてリズムを作っています。元禄期の将軍徳川綱吉政権時の生類憐れみの令について蚊も殺してはいけないという御触れに対する庶民のうっぷんめいたものと、お上による隠密捜査への恐怖を表しているのでしょうか。
曲は2019年に大河が埼玉県鶴ヶ島市で4公演を行うにあたり、作曲家の日高哲英さんが書き下ろしてくださったものです。
劇が展開を見せる中で、とても印象的です。
篠原さんのつくられた歌詞を紹介します。
これで公演を見にきてくださった方はますます、曲が脳内でぐるぐる強化されること間違いなしです。
日高さんによる大河役者陣への熱心な歌唱指導があったことを付け加えておきます。
馬は口きく 人はだんまり
犬は道往く 人は隠れる
薮蚊の腹は血でいっぱい 人は刺されて腫れいっぱい
命あるもの生類を 憐れみ打つな殺すなと
お偉い方は言いなさる。
それでもあたしら人間を 憐れみ打つな殺すなと
お偉い方は言いません
それじゃあたしら人間は
命あるもの生類じゃ ないということらしいわな
みざるいわざるきかざると お偉い方の言うとおり
みざるいわざるきかざるだ お偉い方が見てござる
みざるいわざるきかざるさ お偉い方は耳すます
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます