◆◆何となく
「人間はな」
言ってから、劉邦は言葉をとぎらせた。人が悲しんでいる時に顔をすり寄せてきて、お悲しいことでございましょう、とおっかぶせてくる奴ほどこまった手合いはない、と言いたかった。
「こういうときにはな」
劉邦はまた黙った。何をいっていいのか、言葉がない。
風が、帆をゆさぶって鳴った。
「唄だ」
唄はこういうときのためにあるのだ、と劉邦はいった。嬰(えい)よ、うたえ。
嬰は、風にむかってうたった。
--------------------------------------項羽と劉邦(司馬遼太郎)
三連休の中日、今日は一日ゴロゴロしておりました。傍らにあった本を手に取り、何気なく読んでいると、この文節で、目がとまりました。
なんとなく、じーんとくるものがありました。はてさて、自分の中にある、何がこの文節に共鳴したのか・・・・。
今日の心の中のキーワード
唄だ
「人間はな」
言ってから、劉邦は言葉をとぎらせた。人が悲しんでいる時に顔をすり寄せてきて、お悲しいことでございましょう、とおっかぶせてくる奴ほどこまった手合いはない、と言いたかった。
「こういうときにはな」
劉邦はまた黙った。何をいっていいのか、言葉がない。
風が、帆をゆさぶって鳴った。
「唄だ」
唄はこういうときのためにあるのだ、と劉邦はいった。嬰(えい)よ、うたえ。
嬰は、風にむかってうたった。
--------------------------------------項羽と劉邦(司馬遼太郎)
三連休の中日、今日は一日ゴロゴロしておりました。傍らにあった本を手に取り、何気なく読んでいると、この文節で、目がとまりました。
なんとなく、じーんとくるものがありました。はてさて、自分の中にある、何がこの文節に共鳴したのか・・・・。
今日の心の中のキーワード
唄だ