最初に一言
銀はるはぶっ通しでやるべきじゃない、という教訓を得ました。というのも今回椛√を実質二日で終わらせたわけなんですが、集中力が持たなかったと言いますか、学園編とかアフター編が始まってから話が展開していくのが異様に長く感じられました。とくにアフター編全然落ちが見えずに話が進んでいくので終わりが見えずにきつかったです。別に椛√がダメだったと言いたいわけじゃないんですよ。わがまま言って拗ねた椛ちゃんも可愛かったし、最後は案の定泣きました。ただ一気にやりすぎたなぁとそう後悔しています。
椛について
愛想が良くて、でも乙女チックな願いだったり、わがままな気持ちを心に秘めたそんなヒロインでした。なんていうか彼女みたいな性格とか人物像だったりがありふれていて妙に現実味を帯びていたように思えます。そんな現実でもありえそうな普通の女の子との出会いから付き合いだして一緒に生活まで、それこそ『銀色、遥か』において一番”人生”と呼ぶのにふさわしいそんなルートで、当たり前にそばにいてくれる椛ちゃんがほんと愛おしかったです。
※ここから下はネタバレだよ
ストーリーについて
・中学生編
たまたま隣の席になり言葉を交わすうちに気づけば仲良くなっていく。そして空き教室で演劇の練習をしているところを見られてしまう。気付けばお互いのことを意識し始め、付き合いだす。そんなロマンチックな恋物語ですが、その中の椛ちゃんのキャラがいい味を出してるですよね。普段愛想のいい椛ちゃんですが、実は昔わがままな性格が下で周りに上手く馴染めなく一人ぼっちだったことがあるそうです。以来彼女は愛想良く振舞うことを覚えるのですが、逆に素の自分を見せることには臆病になります。わがままに振舞うこと、自分のエゴはあるのだけれど果たしてそれがどこまで受け入れられるのか分からない。だから自分ではない誰かを演じ続けているのでした。そんな中で、雪兎には心を許します。仲良くなってから、わがままだったり、朝が苦手で全然起きないところだったり普段は見れない椛ちゃんを見れて新鮮でした。あと笑顔でヤキモチを妬く椛ちゃんが可愛かったです。
・学園編
みんなで一緒に全国大会目指そうぜ!!っていう話。演劇部で力を合わせて大会での優勝を目指します。そこには、汗水たらして励む練習、どれだけ頑張っても来る挫折とそれにともなう後悔、最善はなんなのかという葛藤。色々なものが詰まってました。何ていうか今までプレイしてきた中で一番青春してるなぁって思いました。それとそれらの中で一番学園編が面白かったのは椛ルートだったと思います。今までの雪月ルートと瑞羽ルートは次に繋げる布石って感じくらいであっさりしてましたが、椛ルートの学園編は上手く一区切り入れられ、学園時代の最高の思い出が出来たって感じでした。
この学園編で椛は演劇のシナリオを書くわけなんですが、この演劇が大会で指定された時間ないに収まりきらず、シナリオの短縮を余儀なくされます。彼女は悩んだ末、後半のシナリオをばっさり変更しようと提案しました。ところが元のシナリオで練習も進み、大会までの日数もあまりありません。これは彼女のエゴでした。しかしそこにはこのまま中途半端なシナリオの劇にしたくないという彼女の熱意がありました。ここで他人に対して自分の意見を言えるようになった彼女の成長を見ることが出来ました。そしてシナリオの変更に雪兎の提案が合わさってよりいい劇が誕生し、全国大会まで進みました。全国大会では三年は引退し、続きは椛の後輩たちに引き継がれ、残念ながらその後どうなったかはわかりません。ですが、今まで頑張ってきた劇で成功したっていうそれだけでもうなんか良かったなと思います。
あと優しいお姉さんからコンドームの使い方を教えてもらう椛ちゃんが見たかったです。
・アフター編
東京での大学生活から幌路に戻ってくるところから始まります。椛は東京でシナリオ関係の仕事をするつもりでオファーもいくつかもらっていましたが、朱音が新しく作るという劇団に誘われて幌路に戻り、朱音の劇団で脚本を担当することになりました。雪兎は幌路で普通のサラリーマンになりました。ですが仕事の合間を縫って劇団の手伝いもしていました。そしてしばらくして劇団の知名度が上がってきた頃、雪兎は仕事をやめて、劇団に入団することを決意します。でもこの際、考えなしではなくて、収入を下げないように他の劇団のマネージメント業務を引き受けたり、勤めていた会社の外注業務の登録だったりといったことも行っており、ここら辺現実味があってすごいなぁと思いました。
最後、劇の舞台でプロポーズしようという話が持ち上がります。そして朱音たち団員の協力もあって、そしてプロポーズから結婚式にグレードアップして花嫁衣裳を劇の衣装と騙して椛にサプライズ結婚式を仕掛けます。椛は潤んだ声で今まで育てて来てくれた両親だったり、べスリーたちワンルームメンバーだったり、朱音たちに一人一人に感謝の気持ちを伝えていきます。この時の椛の涙声を聞いていると、不思議と目頭が熱くなり、目元が滲んできました。ほんと今まで一緒に生活してきた皆ありがとうって気持ちと、結婚できて良かったねっていう気持ちでいっぱいでした。
CV鈴谷まやさんほんとに名演技でしたね。尊敬します。
あとアフター編は椛ちゃんとのコスプレえっちが良かったです。大興奮でした。
考察
このルート椛の人格だけじゃなくて、普通のサラリーマン生活だったり、結婚式で泣いたりなど絶妙にリアルな作りになっているなと思っています。
アフター編で演劇を見ながら雪兎はこんなことを考えるのですが、どうもこのルートのライターさんのメッセージというか考え方が詰まっているように思えるんですね。というのもこのシナリオに現実味をもたせたのは、椛を、そして椛との生活を絵空事では終わらせまいというライターさんの意地というかこだわりのようなものが垣間見えます。自分を偽ってエゴを隠す椛はリアルでしたが、同時にどこか少女漫画の主人公のようなそんなイメージも持ちました。けれどどうでしょうか。結局少女漫画のヒロインも読者の共感を呼ぶような存在であり、どこまでも単純に普遍的なものを写しているのではないでしょうか。彼女はありふれた夢を詰め込んだ普通の女の子だったのだと思います。だからこそそんな彼女をただの夢だとは思いません。そして、少女漫画の読者のように夢を魅せられているのは私たちでした。椛との初恋、共に過ごした青春時代、同棲生活、結婚……どれもありふれていましたが、どれも理想的で輝いているものだったと思います。それらはきっと私たちが夢見た、欲しかった日常で、もしかしたら手に入っていたのかもしれません。
夢を現実に変えるには、そもそも現実という土台が必要です。だからこそ、椛は普通の女の子だし、脚本家の仕事を探してたのだってそうだし、雪兎はサラリーマンになったり、劇団に入った時に金銭面の対策をしたり、現実的で現実を見据えていたのだと思います。そういった現実味があったからこそ、椛との生活はただの妄想で終わることはなく、嬉しかったり、可愛かったり、面白かったりした思い出が、かけがえのない大切なものになったのだと思います。そして結婚式のシーンで涙してしまったのも、どうやらそのような理由のようです。
普通ってなんだろうって今までずっと思っていましたが、今ならわかります。普通最高!!ビバ普通!!
追加
朱音ちゃんのボブヘアでサバサバしてる感じたまらなく好みでした。学園編に追加で浮気ルート出ないかなぁ。えっちしたいです。
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