前回は、住宅購入の失敗例と購入者側の意識の変化を求めた内容になってしまいましたが、確実に言えることは納得の出来ない住宅には、どんなに工夫を凝らしてもカッコ良い家にはならないということです。
また、違反建築など法律的に適合しない住宅でも同様のことが言えます。
なぜか?
それはそういった感情を持たれた住宅は可愛くないからです。
納得出来ない住宅はどんなに綺麗に飾っても納得出来ず、違反建築住宅は市場では価値が無く、価値の無いものに費用を掛ける気力が萎えるのです。
※違反建築とは、建蔽率・容積率・高さ制限などの法律を守っていない住宅のことを言い、新築時、及び増改築によって法律から逸脱した住宅を指します。
※違反建築が市場に出るとそれなりの価格を提示出来ますが、金融機関が住宅ローンの対応を渋るケースが一般的ですので顧客が付き難いハンデが発生します。(購入者が住宅ローンを利用出来ない。)
我が家に納得が出来、法律的に法を犯していない健全な住宅に人々は愛着が湧き、お金や時間を惜しみなく費やすことが出来るのです。
納得出来るとはその家の機能と安心を十分に享受出来るということで、違反建築では無いと言うことはその家は一般的な資産価値がありハンデが無いということです。
この当たり前のハードルを越えるには住宅購入者が一応の住宅知識を持つことが重要になりつつあると残念ながら言わざるを得ない。
近年では住宅建築に関して多くの工法が発明され、それに伴い多種多様な仕様が出来ました。
どの工法でどの仕様が良いのかはそれぞれの建築家によって意見が食い違う事でしょうし、それぞれの利権によっても立ち位置が違います。
しかし、新しい工法や仕様は検証出来る事例が少ないため本当に優れたものなのか、それともそれほどのものでないのかは、実際には判らないものもあるのです。
普遍的に言われていることは住む場所の近くで育った材木を使い、日本古来から伝わる建築工法と通気と換気・断熱性に考慮された家は長持ちし快適だと良く耳にしますが、現在の住宅業界ではこうした対応はなかなか難しい様で、人々の生活の時間があまりにも早く、工業生産性と物流と供給が備わった材料を使用して採算の取れる施工タイムで住宅を完成させなければ、ビジネスとして成立しなくなっており、パッケージ的な販売を目指しているのが現状の様です。
こうした現状でありながらも“購入”“建てる”住宅に対する知識が必要なのです。
言い換えれば、この様なスピーディーである住宅業界だからこそ知識が必要なのです。
一生に近いローンと言う重荷を背負って購入する住宅なのですから、こうした機会を面倒と思わずに知識を得て失敗の無い住宅選びをすることは購入後の人生を明るくするはずです。
前回と今回も住宅をカッコ良く見せる具体例まで進まず、その手前の心構え的な話になってしまいました。
カッコ良く見せるにはまず下地が大切であり、下地が悪いものにどんなに飾り立てても所詮カッコ良くはならないのです。
それではまた次回。