あかん・・・・。寒くて眠れんかった・・・。
終日運動した上に、睡眠不足。おまけに栄養不足。う~ん・・・。マジで今日着かないと本当にヤバい。食料は残り半日分+緊急用僅かのみ。天気は晴れ!これだけは本当にありがたい。目の前にある山の向こうに、きっと村がある事を信じて朝を迎えた。
テントの中・・・
峠を上り始めるが、やはり足が前に進まない。昨日こそ村に着けると信じて走った(押した?)のに、着けなかったという精神的なダメージに加え、酸素不足なのか、栄養不足なのか思うように体が動かない。
しかし、そういう時に微笑ましい風景を見かける。
再び登場のなきうさぎ(?)
警戒して巣穴から周囲を見渡すなきうさぎ
そこへ!二日ぶりのバイクに乗った現地の人が来た! 聞けばやはりこの峠を越えれば村があるとのこと!
・・・やたっ!^^
言葉が通じず、身振り手振りで情報収集。TX!バイク兄ちゃん!
で、とにかく峠を越え、下りに下ってきたものの・・・・無い。村がない。なぁんも無い。
途方にくれて座り込む飯高・・・
こんなところで座り込んでも始まらない。確かに道は下り坂。川に沿って下っているのだから、下りつづければ村があるはずだと信じて進むしかない。と、気を取り直して走り始めた直後、数日前に学校の先生に教えてもらった「壊れた橋」を発見!・・・あぁこれか!
ここで問題が発生^^ 橋のところで道が二手に分かれてしまっているではないか!ひとつは川の流れに沿って下り。もうひとつは川に逆らって上り。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30分ほど悩みつつ、電子コンパスとアテにならない地図と睨めっこ。
結果、川に逆らった方向が正しいという、なかなか根拠の薄い意思決定をした(大笑) しかもその先の上りは、今までの坂のどれよりも急勾配のガレキ坂。 多分、二手に分かれた道はこの山を迂回しているのだろう。そしてこの道は近道と言う訳だ・・・。などと勝手な妄想で気持ちを奮い立たせる。そして上ること2時間で峠を制覇。
・・・・今度こそ! もう必死に願って、転がり落ちるように峠を下る。今度は長い下りだ。標高4700mから4150mまで下る。急カーブが続く。そして。。。。何百個目かのカーブを曲がった瞬間に、、、、、、、
超ーーーーーーーーーーーーーーーーーっ小っちゃい村が出現!
あぁ・・・・助かった・・・・と、道路脇にへたり込んでいると村の人が声をかけて来た。それがまた・・・・学校の先生(笑)
職業がらなのか、学校には本当に助けてもらっているなぁ。彼らに導かれるままに学校に到着。
ここも生徒と先生が一緒に暮らす学校
声をかけてくれた先生方
学校裏の川。6/1の子供の日の会場だそうです。「停車場」と書かれているのには笑えた。
だって・・・・・牛が止まっているんだもの。
そして彼らのお昼ご飯の残りを、気がつけばご飯のお替り3杯をシッカリと食べてしまった!^^
なんとこんな場所の学校に、なんと日本語を話す先生がいるではないか!(カタコトだけれどね) 彼は英語の教師だが、第二外国語で日本語も勉強していたそうだ。
まだお昼過ぎだ。地図によると次の村まではそう遠くないはずだ。確認してみると40km位だそうだ。地元情報は信じますね。それでも一応非常食を買い込んだ。燃料のガソリンは、先生が誰かのバイクから少し分けてもらってきた。おまけに、チベット族が身につけているシルクのスカーフをプレゼントしてくれた。これは健康や事故から守ってれるものだそうだ。・・・・・疲れた心に、本当に暖かい気持ちが染み入ってきた。 ここは「秋智郷」という村。
写真に映っているのが村の全て。因みにいちばん右の方、歌手だそうです・・・。
よし!じゃ、次の村まで頑張るか!と漕ぎだすと、聞いていた通り道は徐々に良くなってきた。と言っても、ガレキ道が砂利道に戻っただけのことだが。それでも全然違う!気持も軽くなったからかな。
久しぶりに見る「人工物」の標識
夕方、風が強まってきたなーと思ったら、空じゅう真黒!やばーい!スコールだ!と思ったら、雷とともにまたまたヒョウが降ってきた。それほど大きくなかったので、無視して走った。辺りは夜のように暗くなってしまったのだが、数分後、空が明るくなったなーなんて前方を見たら、さっきまで青々としていた山が、真っ白な雪山に変わっていた。 自然が見せてくれた手品みたい。(写真を撮り忘れた)
そしていよいよ本日目指していた「葉格郷」に到着!
中国語表記だとこうなります。「葉格」
この村、なんと携帯が通じるのです!今年開通したそうです。すぐにアチコチヘ連絡してみるとやはり安否確認がたくさん入っていました。皆さん、ご心配をおかけいたしました!
と、そこでふととても大事な事を思い出した! ビザ!中国のビザ!更新時期じゃ! が、待てよ?ここからどうやっても空港まではあと5日はかかってしまう。まぁずい。 と、悩んでも仕方無いので村。唯一あるレストランに入る。おおおぉぉ。久しぶりの食事らしい食事だ。久しぶりの質問攻撃だ。 あれ?この人たち、標準語に近い言葉を話すぞ?と、思って聞いてみたところ、西寧市から道路工事の為に観察に来ていた人だった。一通り質問を受けた後、逆に質問してみた。この村からゴルムド市(一番近い空港)までの交通手段はあるのか?と。
答えは「無し」 因みにこの村からゴルムドまでは400km以上ある。そしてその内未舗装路が250km。崑崙(コンロン)山脈を越えてゴルムドなのである。・・・・あぁ、やっぱり駄目か。。。と、明日以降の日程を真剣に考え始めようとしたら、「俺、明日ゴルムドに行くから一緒に行くか?」と言うではないか! 冷静に考えてみた。明日から5日(最大で7日)かけてゴルムド市まで行き、それからビザの更新をしても多分ギリギリ間に合うと思うが、間に合わなかった場合のリスクは大きい。
と、言う事で自転車をこの村に置いて、明日ゴルムドまで車で移動する事に決定!^^
明日は・・・・・・何日ぶりのシャワーかな?標高にして約2500mも下るし、あぁ呼吸も楽だろうなぁとか、色々思い描いて楽しんだ。もう 食糧の心配もない!思い切って隣の商店でスイカを買ってきてみんなで食べた。 その時についでにミネラルウォーターを買おうとしたが置いていなかった。売店で水を置いていないのは初めてだったので理由を聞いてみたら・・・・。川の水と同じだから置いていないと。
ほぉ。なるほど! と言う訳で明日、楽しみです♪