迷ったところで・・・地球の上

迷ったところで・・・地球の上

西寧市 雨 最低気温9度 標高2300m 走行距離32.6km

2011年06月25日 | 日記

うわ。また寝坊だ・・・。
最近、目覚まし時計と寝ぼけながら戦っている。
鳴り続ける目覚ましをひたすら布団を被って無視し続けると、やがて目覚まし君も諦めてくれる。
そして至福の二度寝が始まるのだが、暫くして目が覚めた時にいつも後悔・・・。

今日二度寝から覚めたのは10:00前。
外はどんより曇っている。まずいなぁ・・・雨降るかも。
バタバタと支度をして旅館を飛び出すが、あまりの寒さに長袖に着替える。
暫く走ると体も温まり、順調なペースで進む。
が、しかし! ポツリと雨が降り出してしまった!
屋根のある場所までと、ペースを上げる。
運良くガソリンスタンドの廃墟が見つかり、雨装備に切り替えた。
その間にも雨は強まり、風まで強くなってきてしまった。
完全防備にしてから雨の中を再び走り出すが、横を走る車やトラックの水しぶきが
容赦なく降りかかる。 とても夏とは思えない気温。
そう。ここは標高2000mを超えた高地。




雨の日に走ると気力が萎えてしまう。
色々な言い訳を思いついては、今日の行程を切り上げようと考えてしまう。
お昼過ぎには土砂降りになり、とても顔をあげて走れる状態ではなくなった。
言い訳どころではないなぁ。マジで危ないので今日の走行は終了することに。
西寧市は、青海省の一番東にある都市。町に入るとすでに中国ではない雰囲気が
ありあり。こりゃぁ・・・イスラムだな。女性はスカーフを頭からかぶり、
男性は縁なしの白い帽子を被っている。顔つきは堀が深く、鬚を生やしている人が多い。

ともあれ、部屋に入って一休みしている内に、あれ?やたらと眠いし、頭も痛い。
う~ん。風邪か? 風邪なんて数年ひいていないけどなぁ・・・。
とにかく暫く横になるが、頭痛はひどくなるばかり。
仕方なく、雨の中を夕飯を食べがてら薬局に行き、頭痛薬と一緒に高山病に効く薬
(これは漢方薬)を買った。



夕飯は「回転鍋」(笑)・・・いや、本当に回転鍋。
鍋のスープが一人分だけホットプレートの上に置かれており、具材が回転寿司の如く
回ってくるのだ。食べ放題で50元なり。・・・高いなぁ・・・。


ガッツリと食べていたのだが、食べれば食べるほど気持ち悪くなってきた。
原因はスープで使われている化学調味料だった。(味●素みたいなもの)
頭は痛いは、気持ちは悪いは、寒いは・・・。
ダメだこりゃ。寝るべさ。

 


平安県 青海省突入!

2011年06月24日 | 青海省

目覚ましを無視し続けた。体が重い。ベッドの中で体を伸ばすと足がツル感覚がある。

昨日は久しぶりに走って、猛烈に膝が痛かったからなぁ・・・。

などと言い訳をしている内に9:00を過ぎてしまった。イカンイカン。走らねば!

なにせ今日は青海省へ突入の日なのだから!

重い体を起してサクサクと準備をする。外は快晴!しかし乾燥しているのでそれほど暑くなさそうだ。

自転車に跨り漕ぎ出すと、やはり膝に痛みが走る。まずいなぁ・・・これからドンドン険しくなるというのに・・・。

しかし昨日のバンテリン効果もあるようで大分痛みは引いている。ボチボチ行きましょうかね。

 

走りだしてすぐに青海省の省境に到着!あっけなく青海省に入る。

青海省へのゲート

 

省境を流れる「黄河」

 

暫くすると思わず走りながら叫んでしまった!その景観に! あぁ・・・いよいよ青海省なのだ!と。

黄河を脇に見ながら、崖の間を走りぬける。崖からは幾つもの石(石というには大きすぎるし、

岩というには小さすぎる)が道路に散乱している。勿論、崖からの落石だ。

車ならまだしも、生身の体に落ちてきたら・・・・痛いでは済まないだろうな。 

で、崖を避けて道路の反対車線を走る。眼下には黄河が轟々と流れている。黄河の色はミルクチョコレートの色。

これを黄色と言えなくもない。

普通、川の水が茶色ければ「汚い」と思うのが普通なのだが、黄河の場合は違う。

美しいのだ。おそらくとても細かい赤砂の色なのだろう。そして細かいが故に水によく混じって、

まるでミルクチョコレートが流れているように見える。それにしてもこれだけの砂は一体どこから?どこへ? 

そんな黄河を一日中脇に見ながら走っていた。

 

御覧の通り、山には木は生えていない

 

お昼頃に小さな食堂を発見。村中の人がそこに食べに来るようですぐに満席!

たまたま一緒に座った家族がカブ(蕪)を手に提げて来た。これをサッと洗って塩で揉んでテーブルに出された。

「一緒に食べよう!」という訳でご馳走になったのだが、この蕪の甘いこと甘いこと!

持ってきたお母さんは自慢げに「うちの畑で採れたのよ!農薬なんて使ってないのよ!」と何度も何度も説明してくれた。

それにしても美味しかった!毎日の風景だが、こんな辺鄙な村にも小学生や中学生が沢山いるのだ。

昼御飯は家族と一緒。・・・・なんか・・・・いぃなぁ・・・こういうの。

 

子供達は2時間のお昼休みで自宅に戻ってご飯

 

あっまいカブ!

 

相変わらず小さな村が点在するだけで、旅館一つ見つからない。しかし岩肌がむき出しに見える山々と黄河を見ながら、

高原を走る気分はなかなか楽しい。空気が乾いているし空も近い。標高は2000mくらいだ。

 

日なたは暑いが、日陰に入ると涼しい。乾燥している証拠だ

 

今日は西寧市まで走る予定だが、朝寝坊したのでチト厳しい。

夕方になって会社から電話が入り、急きょ電話会議をしなくてはならなくなったので1時間休憩。

これで西寧市までは確実に無理・・・・という事で一つ手前の平安県に泊まることにした。

ムカつくフロントの対応だったが、小さい街なので選択肢も無い。ひざの痛みもあるしここに泊まることにした。

すぐ横にレストランがあったので飛び込む。お腹ぺこぺこ。昼に食べた蕪も置いてあったので試しに頼んでみたが・・・。全然ダメ。辛いし乾いていた。やはり自家栽培で採れた蕪はひときわ違うのだね。

それにしてもこのレストランはすでに中国ではない感じ。少数民族でいっぱいだ。

女性はほぼ全員、頭にスカーフをかぶっている。顔つきも違う。ここはイスラムか?という印象。

食後に久しぶりに足のマッサージに行ってみた。たまのマッサージは効く!

按摩してくれたおばちゃんにこの町の事を聞いてみた。やはりこの町には7つの少数民族が住んでいて

漢族(いわゆる中国人)はとても少ないらしい。ちなみに彼女は生まれて以来、この町から出たことがないそうだ。

それほど気に入ってるんだね!と言ったら、とても嬉しそうに「そうなのよ!」と答えたのが印象的だった。

平安県・・名前も良いね!

 

うぅぅ・・・眠い。だめだ。文章がめちゃくちゃなのは分かっているけど、書き直す気力はない。。

お休みー。。。


海石湾村 走行距離108.4km

2011年06月23日 | 甘粛省

久し振りに走るぞ!と、意気込んだもののやはり足がついていかない(笑)

 

それでもスタートしてから蘭州市内をグルリと走り、国道105号に入る。

蘭州市内を流れる「黄河」 雨のせいもあってか黄色?茶色?

 

テレビで見た孫悟空のキャラクターに似ている。ん?逆か?

 

上っているのか分らないくらい微妙な上り坂を上り続ける。

・・・これがジャブのように膝を攻撃する原因なのだ。

上りには上りの乗り方があるのだが、こう緩々と上っているとつい平たん路と同じように漕いでしまう。

気がついた時には膝の痛さに顔を歪めるほどになってしまった!

 ところで、蘭州を出て40kmほど走ってみると、またまた景色が変わってきていることに気がつく。

ホント、中国の庭園もそうなのだが、奥へ行くほど見せ場が多くなるのが特徴だね。

景色は良いのだが、困ったことに村すらない。つまり店が全く無い。

どんどん乾燥してくる

 

 

今日は水をたっぷり持ってきているので問題ないのだが、昼ご飯・・・どしよ?(笑)

そんな事を考えていたらポツリとレストランがあったので、駆け込む。

・・・まぁた麺ですか・・・(苦笑) 麺の写真を撮るのも飽きたので今回は無し!

食べ終わってのんびりしていると、目の前を一台の旅チャリが駆け抜けていく。

かなり軽装だが間違いなく旅チャリ。15分ほど休んで追いかけることにした。

30分ほどで食堂脇に止めてある自転車を発見!彼も昼ご飯らしい。立ち寄って声をかけてみた。

おぉぉ!オッサンだ。方角が同じなら、多分今日の目的地も同じだろうと思ったら案の定。

彼はその町に住む友人を訪ねに自転車で行くとのこと。んじゃ、一緒に走りましょうかね♪

午後になるとグンと気温が上がってきた。温度計は35℃を指している。

しかし標高が高いせいで、それ程暑く感じない。日陰に入ると一瞬で汗がひいてしまうほどだ。

午後も相変わらずダラダラと上り続ける。それにしても・・・村が無い。無さすぎる。

一緒に走った彼。路上にあった果物屋さんでスイカを一つ買って半分こ

 

気が付けば18:00を過ぎている。18:00と言っても明るく、日本でいう15:00くらいかな。

20:00にようやく目的地に到着!彼の友人は、この村でタイヤショップを経営していた。

ミシュランタイヤの代理店だった。

・・・メチャクチャ儲かっているらしい。そりぁそうだ。これだけトラックが走っていて、

そこらじゅうでパンクしているのだからね。

彼の友人のお店

 

 で、その友人と息子と一緒に走った彼とで一緒に食事をする事に。

田舎には田舎の良い店がありました♪ ・・・豚足尽くしです。

旅レポートを読んでいる方から、アドバイスを頂いていたのでガッツリ食べました。

アドバイスというのは「体の痛い(弱い)部分を治すには、その部位を食べるとよい」というもの。

つまり今日は膝と足が痛い。だから豚の足を食べる。という事ですね。これがまた・・・美味なり。

付け合わせ(?)に例の生ニンニクがテーブルにあったので自然と手が伸びてしまう。

それが彼らには大ウケで、みんなでガリガリとニンニクをかじり倒した(笑)

ウケるも何も、うまいものは美味い!疲れも吹き飛びますしね。最近はもう全く匂いなんて気にしなくなりました。

その内に彼らの友人が一人加わり(これは中国では至極当然の事)さらに宴は続いた。

因みに彼らの好きな日本の芸能人は「山口百恵」さんでした♪ 

ひとしきりの歓談の後、タイヤショップの社長の顔の利くホテルを勧めてもらいそこに泊まることになった。

改装直後らしくロビーがとても奇麗! でもネットは使えないし、部屋の中は・・・普通だった。

ただ、熱いお湯が出たのには感動! この辺りは冬になればマイナス20度だそうだ。

そりゃ、さすがにお湯は出るわな。夏だというのに蚊もいないし、夜は半そででは寒いくらいだ。

おっ!星が・・・・多い!標高も2000mくらいだからね。瞬いています。

空気も良い!人も良い!メシも旨い!お湯が出る!

こういう事↑に喜びを感じ続けたいと思います。 

 

今は熱いシャワーを浴びて、膝にバンテリンを擦り込んだところです。

明日は・・・いよいよ青海省です。実は省境まであと2kmなのです♪

次の町がいよいよ最後の町か・・・。

 

PS:オッサンと言ってしまいましたが、一緒に走った彼、41歳でした・・・汗。


6/11-21 甘粛省は蘭州&江蘇省は蘇州一時帰省

2011年06月21日 | 蘇州

蘭州が思いがけず大都会だったのは幸いだった。
西安から蘭州に車での間、東から西に向かう旅チャリダーやバイカーの話を聞くうちに、
装備の充実と軽量化をしないと駄目だとつくづく感じた。
西安でもずいぶん軽量化をしたけれどまだまだ絞り込めそうだ。


特に衣類については徹底的に軽量化できそうだが、これから先の寒さ対策にはある程度
良いものを持たなくてはならない。
軽量化すればその分水や食料を積み込める。
この先の道を考えれば1gでも装備を軽くして水を持ちたいくらいだ。

  更に蘇州で大変お世話になった方が日本に帰任される事になり、どうしても最後にお会いしたいという思いと、
個人的な用事もあるので蘇州へ一時帰省することにした。

蘇州に戻る為に空港に向かい、そこでちょっとした発見があった。
あいにくフライトが1時間ほど遅れてしまい、その間ロビーにいた時のこと。
気がつけば欧米人がチラホラ。ターバン巻いた人もいる。市内では外国人など全く見かけなかったが、空港には意外と多い。
時間もあったので一人の恰幅のいい(要はこれすれロール?)おじさんに声をかけてみた。
彼はドイツ人で蘭州にある特殊ポンプメーカーの責任者だった。彼が蘭州に来るのは年に30日ほど。
一年のうち9カ月はアジアを飛び回り、2ヶ月は本国で仕事だそうだ。素朴な疑問として聞いてみた。なんで蘭州に?

答えを聞いてなるほど。納得。
「極東にいる日本や上海からすれば蘭州は西の果ての片田舎だが、欧州から見たら中国の玄関口だ」と。
思わず笑ってしまった。そうだ。地球は丸かった(笑)

そこへアメリカ人も登場し3人で談義した。アメリカの彼も経営者。興味があったので、彼らの社員の給与を聞いてびっくり。
なんと、上海や蘇州の2倍以上なのだ!
何度も聞きなおしたが、ワーカーレベルでも4000元以上だと。彼ら曰く「労働力不足?なんだそりゃ?
捨てるほど人材は集まる」とのこと。 いやはや・・・参りました。

更に日本式の経営についても随分研究しているようで、散々痛いところを突かれてしまった。
耳にたこができるほど言われている現地化がどうして日本人にはできないのか?
なんで中国人に任せようとしないのか?彼らには不思議で仕方無いらしい。
それから経営の意思決定スピードのトロさも指摘された。「首相の意思決定だけは早いよね!」と彼らは言ってニヤリとした。
あぁ。。。。辞めるのが早いってことね(大笑)

彼らと一時間ほどの会話で、中国という国をはさんで対極に位置する彼らの考え方を垣間見ることができた。
彼らは中国をとても尊重していたのがとても印象的だった。
日本ではどうなのだろう・・・。人間関係も国際関係も同じだな。
価値観なんてなかなか合うものではない。合わないからこそ尊重するべきなのだ。

そんなかんやで飛行機に乗り込む。1.5か月かけて走った距離を、わずか4時間で戻ってしまった。
蘇州は雨。ジメついた湿度がまとわりつく。

久しぶりの家庭料理。あぁ・・・・・美味い!とにかく食べまくる。2合の御飯でも足りないほど食べた。
それからお世話になった師匠の送別会。友人のイタリアンレストランで開催。あぁ・・洋食なんて久しぶり♪
ここでも食べまくる。

別れは悲しいが、また日本で必ず会う事を約束した。師匠は帰任後大変な責任を負う仕事をされるのだが、
生涯をその会社で過ごし、会社のためを第一に考えてきたからこそ責任を負う立場になるのだと話してくれた。
その中でも「責任をとるということ」については諸論ある中で、ひときわ自分に響いた言葉だった。
それは「認める」という事。責任の取り方にはいろいろあるあると思うが、「過ちを認めること」無くして責任はとれないのだと。
一経営者として、今までもこれからもそれなりに意思決定をしているわけだが、
自分で決めた事の過ちを認めるというのは少なからず勇気のいること。

師匠とは3年ほどいろいろな機会にお話をさせて頂いたが、懐深く私のような小僧をバカにせず真面目に話をしてくれる方だった。
ご夫婦ともに親しみやすい方で、自分もあのように歳を重ねたいとつくづく思う。
40歳を超える今、会社を辞めてしまうと、目指すべき人物というのを見失ってしまうのではないか?と不安になる。
不安だから勉強するが、果たしてそれで正しいのかどうかは分らない。どうせ正解などないだろうけれど・・・。

だからこそこの旅の中でも沢山の人に会って話を聞きたいと思う。

  中国にきて5年。良い友人に恵まれたとつくづく思う。自分には何ができるのだろうな。
親しくさせていただいている大阪出身の大らかな総経理と工場長のお二方とも会食した。
底抜けの明るさの中に大変な苦労を重ねているのだと感じるが、私の旅をとても応援していただいている。
仲間との食事はこんなにも楽しいものだったのかと思えた。

普段が楽しくないわけではないが、旅をしていると色々なことにありがたいと感じることが多くなる。
食事ひとつ、言葉一つ、何でも一人ではできない事ばかり。

あぁ・・・幸せだなぁって思える。

 

ところで、前述の師匠にお願いして「スタンガン」を調達してもらった。旅の途中に住む住人が言うには、
この先にオオカミ地帯があるそうだ。ちょうど・・・野宿するあたり。
重いものは持てないし・・・という事でスタンガン!でもこれ、刺し違えて当てないと効果ないからなぁ・・・。
これを使うということは、オオカミさんとつかみ合っているということだよな・・・。大丈夫かな?俺。。 
とりあえずオオカミと出会ったら・・・・「優しく話しかけてみたら?」とヨメ。
ま、やれることは何でもやってみますけど・・・(汗) 因みにスタンガンは120元でした。

それから某日系ガラスメーカーの友人から「太陽充電器」をもらった。
電源がない場所を走るのでGPSやカメラの充電は課題だったのだが、これで解消!
これで電池10本分を削減! さらに防寒着や靴を新調した。

蘇州にいる間はずーーーと雨!蘭州に戻る日になって晴れた(笑)
蘭州に戻り、預けておいた自転車を取りに行った。完璧にメンテナンスされていて気持ちがいい!
蘇州で買ったものと、蘇州に送り返すものを別して最後のパッキングが終了!
ここから先はネット環境も不安定なので、締め切りのある記事を書き溜めして送る。
PCを入れ替えたので、ソフトを全部確認して・・・。
あっという間の一週間。いよいよ明日から第三ステージの960km。
この間に4500mを超える。黄河の源流も見る。オオカミにも・・・会いたくないなぁ(汗)

それにしても蘭州は気に入ったな。
旅が終わったらまた遊びに来ようっと。観光する場所はあまりなさそうだけど。

【番外編】

※「ヘン顔」・・・あ、どっちもヘン?

 

※お見苦しいところを・・・。ガチガチに硬くなった太もも。

  ・・・なんでこんな写真を(笑) これで許してもらえますか?Tさん!


蘭州 走行距離23.6km

2011年06月10日 | 甘粛省

 晴れ 最高気温33度

今日はお休み日。昨晩は遅くまであれこれと溜まった作業をしていたが、それでもいつも通り7時に起きてしまうが、二度寝に入る。
9時過ぎに電話で起こされた。

外は快晴!そうだ!昨日じいちゃんが行ったという、蘭州市の南にある蘭山に行ってみよう!
荷物を宿に置いて身軽にして行ってみた。昨日GIANTで買ったサイクルスーツも試しに着てみることにした。
おおおっ!鏡にチャリダーがいる(笑)なんだか恥ずかしいな・・。

恥ずかしいと言えば自転車。普段は超重量級の姿を見せてくれる頼もしい自転車だが、荷物を全部降ろしてみると・・・
なんだか裸を見られているような恥ずかしさを感じる。
乗ってみると余りの軽さに暫くフラフラしてしまう・・・。

自転車も自分もなんだか気恥かしい・・・。

しかしやはりペダルは軽い!市内の1550mから山頂2100mまで登る。
この坂、普段の荷物を載せていたら確実にダウンしていたな、と思う。短距離で標高600mを登るので勾配率が普通じゃない。
2時間くらいかけて山頂へ到着。入園料6元の公園があったが、出てきた人に聞いたら「金の無駄だ!」と言うので、
アッサリと入るのを止め、峠の食堂で昼ごはん。2100mの空気は爽やかで、さっきまでの大汗が嘘のように引いていく。

この恰好・・・・慣れないなぁ・・・

なんでこんなのが?

今度はラクダちゃん・・。昼寝していました。

そうだ。坂の途中にあった茶屋の眺めが良かったから、下りがてらお茶でもするか。
と、帰路に着く。予定通りの茶屋で一服。蘭州市内が全部見渡すことが出来る。
天気は快晴。下界は多分暑いのだろうけれど、2000mの高さでは風が乾いていて気持ちいい。
1時間ほどまどろむ。

この場所・・・・フェンスも何もないのです。すぐ横には200mほどの崖が。

・・・・まどろみながら思った。僕の体はまだ旅をしていない、と。
何と表現していいか分からないけれど、何かスイッチが入りそうで入っていない気分。
別にそんな事どうでも良いのだけれど、性格上気になってしまう。
こういう事を考えているからスイッチが入らないという事も分かりつつ・・・。
でも、あと少しで何かが変わるという感覚もあるんだよな。。

17年の社会人生活と言うのを辞めたからと言って、スグに浮世離れした感覚になれるハズもないのだからね。
ま、時間が解決してくれるだろう!というところで結論付けて下界へ下る。・
・・下界、あっちぃ!(笑)

  一旦宿に戻ってから再びGIANTへ向かう。これから一週間、自転車はGIANTに預け、
僕はやらなきゃならない事を済ませるつもり。
帰り道は歩いて街中を散歩。やっぱり。。。綺麗だ。途中目についた水餃子の店にフラリと立ち寄ってつまみ食い♪ 隣に座った兄さんと、蘭州について聞いてみる。
すると、やはり蘭州は他の都市に比べて綺麗だそうだ。彼は成都出身だった。
仕事柄、中国の各地にも行っているが、蘭州はかなり気に入っている町だと。
因みに蘇州は?と聞いてみたら、あそこは観光地だな!だって!
確かに、蘇州の美しさは見事だと思う。歴史と近代が見事に融合しているし、、、。
しかし蘭州の綺麗さもかなり魅力的だな。また来てみる価値のある町ですな。
そんな事を話していたら、旅レポートを読んだ方からメールが届いた。
その中にこんなことが書いてあった。

「西の方 陽関を出でならば 故人(親しい人)無からん」

この辺りから西に進むと、もう知っている人はいない。8,9世紀の時代はこう言って西へ向かう人と酒を酌み交わしたという話。
・・・今日、山で感じていたのはもしかしたらこういうことかもしれない。
蘇州を出て西安へ。西安では旧友も居て楽しいひと時を過ごすことが出来た。
西安から西は本当に未知の領域。そんな不安が、山中で感じた「体が旅をしていない」という事につながったのではないかいな?
つまり、まだ現実から出られない自分がいるという事。
出ないなら、出ないでいいじゃないか。無理に出る必要はない。いずれ近いうちにそうなるのだろうから・・。
・・・この先の青海省の道のりが、急に怖くなってきた。。

蘭州は本当に大きな町です。


昼ごはん:30元
夜ごはん:20元
その他:30元