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本と音楽とねこと

絶対貧困

石井光太,2011,絶対貧困──世界リアル貧困学講義,新潮社.(10.12.2020)

 スラム、路上生活、物売り、物乞い、ストリートチルドレン、薬物中毒、売春等々、東アジア、東南アジア、南アジア、中東、アフリカ各地における、「絶対貧困」の現場のルポルタージュ。
 貧困のどん底にある人々と、危険をかえりみず、交流し、生活をともにした人にしか書けないルポである。
 『物乞う仏陀』等の他の著作で、すでに「絶対貧困」の内実については知っていたが、たくさんの写真ともども、あらためてその凄惨さには息をのむ。

絶対貧困―世界人口約67億人のうち、1日をわずか1ドル以下で暮らす人々が12億人もいるという。だが、「貧しさ」はあまりにも画一的に語られてはいないか。スラムにも、悲惨な生活がある一方で、逞しく稼ぎ、恋愛をし、子供を産み育てる営みがある。アジア、中東からアフリカまで、彼らは如何なる社会に生きて、衣・食・住を得ているのか。貧困への眼差しを一転させる渾身の全14講。

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