伊藤比呂美,2014,女の一生,岩波書店.(11.30.24)
「月経とは?」「摂食障害について教えてください」「セックスが苦痛です」「むなしくてたまりません」「子どもがひきこもっています」「別れたい」「恋をしました」「一人で死ぬのが怖い」……。年を経ても尽きない女の悩み。いくつもの修羅を引き受け、ひたすら生き抜いてきた著者が、親身に本音で語りかける人生の極意とは。
伊藤さんは、自らのままならない女の身体に振り回されながら、同時に、セックス、出産、授乳と、それを満喫しきった人でもあった。
「わたしはわたし、あなたはあなた」、自他の境界線を踏み越えず──踏み越えざるを得ないからこその歓びがあるとしても──、自らのテリトリーをしっかり守りながら、自らの身体と向き合い続けること、それが、女を生きる、ということなのだろう。
出産は排便と同じ、セックスは自傷行為等、ハッとさせられるフレーズが印象的だ。
目次
おさない女
自分に向き合う若い女
たたかう女(性と女;社会と女;生殖と女;家族と女)
自分に向き合う若くない女
老いる女
或女の一生