主に東北学院大学社会学専攻学部生と、その人的ネットワークを活かして収集された、71人の被災者による手記、「災害エスノグラフィー」集。ずっしり分厚い。被災当事者の原稿には必要最小限の修正しか加えられていないためとても読みにくいが、あまりの過酷体験記にただ圧倒される。当事者自身によるこうした文書記録は貴重だ。
目次
TSUNAMI 大津波
大津波 ババのへそくり 泥の中―南三陸町志津川廻館(佐々木米子)
ここは津波常襲地―南三陸町戸倉字波伝谷(後藤一磨)
正座したままで逝った父、母、祖母―女川町桜ヶ丘(丹野秀子) ほか
FUKUSHIMA 原発
福島第一原発に立ち向かう―福島第一原子力発電所(山下幹夫)
生まれた時から原発があった―大熊町(大川順子)
避難先も避難区域―大熊町熊三地区(佐久間和也) ほか
MEGA EARTHQUAKE 巨大地震
ダム決壊、もうひとつの津波―藤沼湖須賀川市滝(松川美智夫)
青少年自然の家で再び震度7―栗原市花山字本沢沼山(佐藤敏幸)
新幹線のトンネルに一四時間閉じ込められる―秋田新幹線仙岩トンネル(佐々木透) ほか
正体不明の“つなみ”が、悲しみだけを残していった―生々しい体感、慟哭と彷徨の日々、絶望から再起への想い。人類史上に残る千年災害の全体像、その広さと深さに迫る。
コメント一覧
s.naoko
最新の画像もっと見る
最近の「本」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事