滋賀県の永源寺地区では、「ご飯が食べられなくなったらどうしますか?」と花戸医師に尋ねられた高齢者は、入院を望まずそのまま自宅にいることを選ぶ。
農村コミュニティならではの近隣の人々によるサポートがあるからこそ、高齢者は、在宅医療を受けながら、ごく自然に在宅死を遂げることができる。
と、在宅死、と書いて違和感をおぼえる。永源寺地区の高齢者は、能動的に「在宅死を遂げる」わけではない。生と死は断絶したものではなく、生きることのその先に静かに死がおとずれるわけであり、それをたんたんと受け入れる、ただそれだけのことだ。
診療所の医師、看護師、MSW、ケアマネージャー等の協働、そして近隣住民によるサポートがあって、はじめて「地域包括ケア」が絵空事ではなくなる。
目次
第1章 病気が治らなくても元気に暮らす人たち
永源寺診療所の一日
重度の認知症でも当たり前に生活するタエさん ほか
第2章 なぜ自分らしい死を迎えられるのか?
大病院ではできないことが地域ならできる
私が白衣を脱いだわけ ほか
第3章 住み慣れた家で最期を迎えるために
幻の名医よりも、近くのかかりつけ医
ご近所さんも介護チームの一員 ほか
第4章 永源寺の「地域まるごとケア」の歩み
永源寺は日本の未来図
小串輝男先生との出会い ほか
最新の画像もっと見る
最近の「本」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事