どのような学問においても、学説史は重要である。
社会福祉学とてその例外ではないが、実践の学でもある社会福祉学においては、実践と理論とが分かちがたく結びついており、このことが、唯一無二の社会福祉学説史を構築することを難しくしている。
それでもなお、本書のように、できごと、思想、制度・政策、実践等を総合的にとらえなおし通史としてまとめあげることは意義のあることであるし、また必要なことである。
時代を超えて継承されるべき学説史であるがゆえに、本書の価値はいまもなお色褪せてはいない。復刊もしくは再版を期待したい。
社会福祉を学ぶときに必ず出会う重要な概念、福祉国家、ニーズ、公と私、社会連帯、社会事業、援助、関連性などについて、その出発点、発展、現代における意味を、さまざまな原典資料から学ぶ。社会福祉原理、社会福祉史などの講義がさらに深まります。
目次
第1部 ソーシャル・ポリシー―福祉国家論とニーズ論の変遷
福祉国家とは何か―その成立要因と批判
福祉国家の新展開
ニーズの本質とは
第2部 日本福祉史―おおやけ(公)、社会連帯、社会事業の概念の変遷
おおやけ(公)からパブリック(公)へ
社会連帯の可能性
社会事業と現代
第3部 ソーシャルワーク―援助関係論の変遷
友愛関係から援助関係へ―リッチモンド、機能派、レイノルズ
閉じられた二者関係―診断派、バイステック、パールマン
開かれた関係性に向けて―アドボカシー、エンパワメント、ライフモデル ほか
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