ノーム・チョムスキーは、優れた言語学者である以上に、リスペクトするに値する、舌鋒鋭い批判理論家でもある。東ティモール、コソボ、パレスティナ等での紛争における、とくにアメリカ合衆国政府と国民の欺瞞について、ときにジョージ・オーウェルの暗喩を引用しながら、痛烈に批判する。その該博な知識と深い思索には圧倒される。「もう一つのアメリカ合衆国」に息づく知的良心の真髄にいたく敬服する。
目次
1 活動主義の勝利
2 アメリカ合衆国から世界へ―そこをどけ
3 国家の大義のために
4 危機にある東チモール
5 シアトルの意味
6 正統主義からの解放
7 連帯
アメリカ合衆国内で、イラクを危険な国だと考える人は84%、フセイン打倒のための武力行使に賛成する人は62%との統計が出ている。世界一の核兵器保有国にしてベトナムで化学兵器を使用した国でもあり、かつイラクの化学兵器使用を支持していた国、アメリカ。その国民の多くがなぜこのように思考するようになったのか。その背後に潜むトリックとは何か。プロパガンダとメディアの役割、特別な言葉の使い方について、その構造を「議論はあるが、現存する最も重要な知識人」ノーム・チョムスキーが白日の下にさらす。自分の目で真実を見た人々が連帯して行動することの重要性を「休むことのない反逆者」が真摯に訴えかける警世の書、待望の邦訳刊行。
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