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本と音楽とねこと

精神医療に葬られた人びと

織田淳太郎,2011,精神医療に葬られた人びと──潜入ルポ 社会的入院,光文社.(3.24.2021)

 わが国の人口当たりの精神病床数が世界一であるのは、つとに知られている事実であるが、「精神病床」を(病院の)「固定資産」と言ってはばからない病院経営者の感覚には驚愕する。
 グループホームと在宅医療を充実させれば、長期の「社会的入院」はなくしていけるわけであるが、それが遅々としてすすまない現実は、明らかに異常である。
 本書に登場する、人生のほとんどを精神科病棟で過ごしてきた人々の心情が、とても切ない。

20万人とも言われる“治療の必要のない入院者”は、いかに生み出されたか?ノンフィクション作家である著者が、ある精神科病院の「長期療養型」病棟への入院体験をもとに、「社会的入院」の内実を初めて明るみに出す。そこには、東京オリンピックの頃から入院していた人も―。

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