イギリス、ウィンチェスターにおける、充実したヤングケアラーへの支援に驚く。
必要とあれば、子どもの介護負担を軽減すべく、ホームヘルプ、移動介助等の公的サービスにつなぎ、子どもの家族もまきこむかたちで交流の機会をつくっていくことが、子どもが自分自身の人生を生き、孤立せずに、辛ければそう言える環境づくりにつながっていく。
日本でのヤングケアラーへの支援は、まだはじまったばかりであるが、スクールソーシャルワーカー、コミュニティソーシャルワーカー、教員、保健師、看護師、医師等が連携して子どもの健やかな育ちを保障していく体制づくりの大切さを強く感じた。
ヤングケアラーとは、家族の介護を行う一八歳未満の子どもを指す。超高齢社会を迎え、介護を担う若い層も増えているが、その影響は彼らの学業や日常生活にも及んでいる。本書はヤングケアラーの現状について、調査データ、当事者の声、海外の事例、現在の取り組みを紹介。周囲に相談できず孤立したり、進路の選択を左右されたりする状況といかに向き合うべきかを考える。人口減少時代の家族のあり方とケアの今後を問う一冊。
目次
第1章 子どもが家族の世話をするということ
第2章 日本のヤングケアラーに関する調査
第3章 調査後の支援体制作り
第4章 ヤングケアラーの体験
第5章 ヤングケアラーへの具体的な支援
終章 ヤングケアラーが話をしやすい環境を作っていくために
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