地域福祉は、いわゆる社会福祉基礎構造改革により、社会福祉の諸サービスが、市町村の圏域内において、市町村地域福祉計画にもとづき、行政機関、社協、社会福祉施設および居宅介護事業所、社会的企業、病院、NPO等の協働により、住民参加を得ながら供給されるしくみであるが、「地域包括ケア」ともども、1979年に自民党により提唱された「日本型福祉」のたんなる焼き直しであることは否めず、法制度という「容器」だけが整備され、肝心の中身が貧弱である状況は現在でも変わっていない。
本書のような入門書でも、その、やたら立派な(地域福祉関連の)法制度という「容器」の異様さと中身の乏しさに気付かされる。
国家が、地方交付税等により、市町村単位での社会福祉の充実をはかるべく積極的な財政出動を行うこともなく、たんに机上の理念の押しつけと法制度の整備だけで安上がりの福祉を実現しようなんざ、欺瞞の極であろう。
重要なトピックをそれぞれ見開き2ページに収めて、初学者向けのテキストとして好評を博してきた既刊の『よくわかる地域福祉』(初版2004年)を、変化が激しい地域福祉の分野にあわせ、項目、内容、執筆者とも全面的に改変した。地域福祉とは何か、から将来展望までを、研究者や現場の専門職がそれぞれわかりやすく解説していく。特に新たに、「子ども」や「災害」の視点を追加した。
目次
地域福祉とは
地域福祉の理念と概念
地域福祉の発展
地域福祉の政策展開
地域福祉の推進方法
地域福祉の推進主体
子どもと地域福祉
災害と地域福祉
地域福祉計画とその実際
地域福祉と評価手法
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