高齢者の貧困は子どもの貧困と比べると注目されない。それは、高齢者虐待が子ども虐待と比べると注目されないのと相似である。わたしも含めて、無意識的にしろ、いのちの選別、序列化をはかっているからにほかならないが、長生きするのは幸福というよりリスクと捉えざるをえない現実を本書は明らかにしてくれている。
目次
第1章 下流老人とは何か
第2章 下流老人の現実
第3章 誰もがなり得る下流老人―「普通」から「下流」への典型パターン
第4章 「努力論」「自己責任論」があなたを殺す日
第5章 制度疲労と無策が生む下流老人―個人に依存する政府
第6章 自分でできる自己防衛策―どうすれば安らかな老後を迎えられるのか
第7章 一億総老後崩壊を防ぐために
まもなく、日本の高齢者の9割が下流化する。本書でいう下流老人とは、「生活保護基準相当で暮らす高齢者、およびその恐れがある高齢者」である。そして今、日本に「下流老人」が大量に生まれている。この存在が、日本に与えるインパクトは計り知れない。
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