ロンドンのノースケンジントン地区におけるフィールドワークの記録。
1980年代のサッチャー改革による公的福祉の縮減、90年代後半以降のブレア政権による「第三の道」改革といった大きな国家政策の転換に翻弄されながらも、市民本位のアクティブな多文化共生福祉のまちづくりが推進されてきたノースケンジントン。この地域で生き、活動してきた市民たちの群像が生き生きと描き出されている。
目次
1 問題意識とキーワード
2 ノースケンジントンの歴史と現在
3 ノースケンジントンの福祉市民社会
4 ノースケンジントンに見るコミュニケーションと公共圏
5 オープン・エイジ・プロジェクトに見る福祉市民社会
6 福祉市民社会を創る人々
7 「経済成長」から「社会成長」へ―日英の比較から
スウェーデン型福祉国家は行きづまり、アメリカ型自助社会は強い者だけが生き残る。弱者の生きやすい社会をどう創る? 本書は、モデルとなるコミュニティをロンドンのある地域に見出し、そのしくみを住民の日常生活に密着して詳細に描きあげたものです。市民が多様なNPOを組織し、行政に全面依存することなく高齢者や移民など弱者にやさしいコミュニティを創りあげてきた地域。それを可能にした条件は何か、著者は社会の網目を生き生きと流れるコミュニケーションの力に注目し、そこから貴重なヒントとアイデアを汲み上げました。あるべき社会の未来を真剣に考える人々におくる一冊。
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