とくに「感動」するほどの内容ではない。
「観察医」として死因を検証した事例が多々紹介されているが、なんとも切ない、フィクションであれば大爆笑ものの死に方には、言葉もない。
扇風機つけたまま眠って死亡という事例は、都市伝説だろうと思っていたが、ほんとうだった。(筆者が検死している。)扇風機の風が汗を乾かし、水分を奪われた身体の血液が濃縮され、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすそうだ。
なんといっても、「孤独な死と悲しき性の話」(第1章)が秀逸。笑うに笑えない噺の連続だ。
テレビでおなじみの法医学者である著者は、40年以上にわたり2万体以上の検死を行ってきた。その彼が、昭和と平成で死因が大きく変わったと主張する。愛憎のもつれからくる殺人が多かった昭和と動機なき殺人が増えた平成。生とは何かを綴った感動のノンフィクション。
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