勘違いや牽強付会が散見されるが、それでも読み応えじゅうぶんの良書であるにはちがいない。<生活世界>と<システム>論議を違和感を与えることなく蘇生させているのもなにげにすごいし、本書の主題である「民主主義の不可避性と不可能性」についての詳述は必読だ。
目次
第1章 人間関係はどうなるのか―コミュニケーション論・メディア論
若者のコミュニケーションはフラット化したか
ケータイ小説的―コンテンツ消費はどのように変わったのか ほか
第2章 教育をどうするのか―若者論・教育論
「いじめ」は本当に決してなくせないのか
「ネットいじめ」「学校裏サイト」から子どもを守れるか ほか
第3章 「幸福」とは、どういうことなのか―幸福論
「自分だけ幸せならそれでいい」のか
自己決定論の現在―「宮台真司」の主張は以前と今で矛盾しているか ほか
第4章 アメリカはどうなっているのか―米国論
オバマ大統領の演説は一体どこがすごいのか
どうして、アメリカは大統領制なのか ほか
第5章 日本をどうするのか―日本論
後期高齢者医療制度は現代の「うば捨て山」か
裁判員制度―司法の民主化か、新しい動員体制か ほか
現代とは「社会の底が抜けた時代」である。相対主義の時代が終わり、すべての境界線があやふやで恣意的な時代となっている。そのデタラメさを自覚した上で、なぜ社会と現実へコミットメント(深い関わり)していかなければならないのか。本書は、最先端の人文知の成果を総動員して、生きていくのに必要な「評価の物差し」を指し示すべく、「現状→背景→処方箋」の3段ステップで完全解説した「宮台版・日本の論点」である。
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