この「社会学ベーシックス」シリーズでは、社会学の重要著作について、内容の解説、著者の経歴、学説史上の評価、以上の3点に分けて紹介する。
本書での選書は妥当なものだと思う。一読して、ああそういえばそういうのがあったなと記憶を再生する効果があった。学生にすれば、学習、読書のとっかかりに知のカタログとして活用するのに最適だろう。
目次
●近代家族のゆくえ
1 近代社会と〈子ども〉
アリエス『〈子供〉の誕生』(竹内里欧)
2 産業革命と家族
オークレー『主婦の誕生』(中尾 香)
3 近代家族の成立
ショーター『近代家族の形成』(デビッド・ノッター)
4 家族と統治
ドンズロ『家族に介入する社会』(田崎英明)
5 再生産される「母親」
チョドロウ『母親業の再生産』(村田泰子)
6 母性という神話
バダンテール『母性という神話』(田間泰子)
7 隠された労働
イリイチ『シャドウ・ワーク』(栗原 彬)
●フェミニズムの衝撃
8 他者性からの回復
ボーヴォワール『第二の性』(西川祐子)
9 女らしさの神話
フリーダン『新しい女性の創造』(野田さやか)
10 家父長制との闘争
ミレット『性の政治学』(海妻径子)
11 マルクス主義フェミニズム
ダラ・コスタ「女性のパワーと社会の変革」(伊田久美子)
12 関係性の道徳
ギリガン『もうひとつの声』(木村涼子)
13 レズビアン連続体
リッチ『血,パン,詩。』(堀江有里)
14 ホモソーシャリティ
セジウィック『男同士の絆』(赤枝香奈子)
●ジェンダーという視座
15 文化と性別
ミード『男性と女性』(山本真鳥)
16 ジェンダー
マネー/タッカー『性の署名』(大山治彦)
17 近代科学とジェンダー
ケラー『ジェンダーと科学』(川島慶子)
18 男性性というジェンダー
コンネル『ジェンダーと権力』『マスキュリニティーズ』(多賀 太)
19 歴史とジェンダー
スコット『ジェンダーと歴史学』(荻野美穂)
●ジェンダー・家族の現代的課題
20 性暴力の構図
ブラウンミラー『レイプ・踏みにじられた意思』(菊地夏野)
21 セクシュアル・ハラスメント
マッキノン『セクシャル・ハラスメント・オブ・ワーキング・ウィメン』(北仲千里)
22 サイボーグ・フェミニズム
ハラウェイ「サイボーグ宣言」(伊藤公雄)
23 サバルタンの女
スピヴァク「サバルタンは語ることができるか」(岡 真理)
24 ナショナリズム
上野千鶴子『ナショナリズムとジェンダー』(千田有紀)
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