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本と音楽とねこと

アンデルセン、福祉を語る

Esping-Andersen, Gosta, avec Palier, Bruno ,2008,Trois lecons sur l'Etat-providence, Seuil et la Republique des idees(=2008,林昌宏訳『アンデルセン、福祉を語る――女性・子ども・高齢者』NTT出版(¥1,890)'10.6.5

 保育の社会化の効果を「投資利回り」の算定から評価するエスピン-アンデルセンの視点に、目から鱗が落ちる思いがした。
 年金改革は乳幼児の発達支援から始めよ、このラディカルな主張も、今後、持続可能な社会保障を設計していくうえで欠かせぬ論点となるだろう。
 一般向けに平易に書かれた、さまざまな示唆に富む本である。

目次
レッスン1 家族の変化と女性革命
女性が世界を変える
家族と福祉レジーム
新たな政策に課せられた挑戦
生涯にわたって女性の就労を支援する
男性のライフスタイルを女性化させる
国家、市場、各種団体による新たな役割分担
レッスン2 子どもと機会平等
イントロダクション
新たな挑戦
増加し続ける障害――所得不平等の拡大
社会的相続というメカニズムを暴く
福祉国家を再考する
結論――家族の子どもへの投資を支援する
レッスン3 高齢化と公平
イントロダクション
福祉レジームと高齢者
世代間の公平
今日の子ども世代のための年金改革――世代間契約を超えて
年金改革は乳幼児から始めろ
監修者解題
フランス語版解説
訳者あとがき


福祉にかかる費用(年金や健康保険など)は、一般的に、削減すべき(あるいは抑えこむべき)コストだと考えられている。しかし、これが「投資」だとしたら?つまり、不慮の出来事から個人を守るだけでなく、個人の経済的自立を促すとともに、自分の運命を、自らの力で対処できるようになるための、「未来への投資」であるとしたら?社会学の権威であるアンデルセンが、こうした社会的・政治的革命の世界にあなたを誘います。

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